MLB

菊池雄星と筒香嘉智が米メディア選出の「見返りが期待できない30人」入り。「重荷」「高額すぎる」と辛辣評価も

THE DIGEST編集部

2020.11.09

菊池(右)と筒香(左)が不名誉なノミネート入り。来季は見返すほどの活躍に期待したい。(C)Getty Images

 ワールドシリーズが終わり、各チームの話題はストーブリーグへ移行。しかし、今季はコロナ禍によりレギュラーシーズンは60試合に短縮となった上、全試合が無観客で行われることになり、MLBは31億ドル(約3300億円)の赤字を計上。30チーム全体では83億ドル(約8700億円)にも上る数字となった。

 というわけで、各球団の"懐事情"は厳しいものが予想され、高額年俸選手の存在が大きくのしかかってくる。そこで米メディア『ブリーチャー・リポート』は「各MLB球団が2021年の総年俸から消えてほしいと望む契約」と題し、「チームの足枷」になっている選手を計30人選出。"栄えある"ノミネートに、日本人選手では菊池雄星と筒香嘉智の名前が挙げられた。

 同サイトは序文で「我々は、各球団が来季の総年俸から魔法のように消えてほしいと望むであろう保証契約を一つずつ挙げた。高年俸だが、見返りがほとんど期待できない選手たちである」とし、シアトル・マリナーズとタンパベイ・レイズの項目で両名を選出した。
 
 来季1650万ドル(約17億円)の菊池について、「マリナーズが2019年1月にユウセイ・キクチと3年4300万ドルの契約を結んだ時、菊池はマリナーズから輩出されてきた日本生まれのスター選手の系譜を継ぐ素晴らしい候補のように思われた」と、渡米時の期待の大きさを表現。しかし、「29歳のメジャーでの実績は難しいものとなっている。41先発して防御率5.39と滅多打ちにあっているのだ」と結果を残せていない現状を指摘した。

 もっとも、「キクチの2020年シーズンの明るい面は、少なくとも被本塁打が減ったこと(1年目は161.2回で36被弾、今季は47.0回で3本)」と光明があったとも伝えている一方、「それでも彼は、それ以外に酷い契約のないマリナーズのロースターの重荷になっている」として、若い選手が芽吹き始めたチームの足を引っ張り得る存在としている。

 タンパベイ・レイズでは今季メジャーに移ったばかりの筒香が選出された。レイズといえば、今季ワールドシリーズに進出する球団であるものの、メジャーきっての貧乏球団として知られる存在だ。来季も大型契約が保証されているのは、筒香、2018年サイ・ヤング賞投手のブレイク・スネル、球界屈指のセンター守備を誇るケビン・キアマイヤー、パワーと汎用性を備えた主軸のブランドン・ラウの4人しかいない。

 同サイトは「スネル、キアマイヤー、ラウの3人はチームにとって必要不可欠な存在」としながら、「筒香に関しては違う」と痛烈なコメント。「日本では44本塁打を最高に数々の実績を残したスラッガーだったが、メジャー1年目はプラトーン(相手投手を見て先発だったりベンチだったりする打者)に過ぎず、51試合で8本塁打、OPS.708と結果を残せなかった」とした。

 それでも、「2021年は適応して成長できるかもしれない」と擁護していたが「(貧乏球団の)レイズ基準では、700万ドルはそのような実験に支払うには高額すぎる」と残している。
 
 菊池と筒香にはぜひ、周囲の厳しい声を見返すだけの実績を残してほしいものだ。

構成●THE DIGEST編集部
NEXT
PAGE
【動画】筒香の開幕戦本塁打をプレーバック!今季は51試合で8本塁打と不本意な成績だったが…