プロ野球

「内野手でスーパースターを作りたい」原監督の想いに応え続けた坂本勇人。“恩師”は史上2人目の大記録達成にエール

SLUGGER編集部

2020.11.08

恩師・原監督(右)の目に、坂本(左)の大快挙はどう映ったのか。写真:山崎賢人、徳原隆元

 プロ野球史に、坂本勇人の名前がはっきりと刻まれた瞬間だった。

 巨人の坂本は8日、東京ドームで行われたヤクルト戦の初回、第1打席でレフト線に二塁打を放ち、通算2000本安打を達成した。プロ野球史上53人目の快挙は、31歳10か月という歴代2番目のスピード記録でもあった。巨人の生え抜き選手では川上哲治、
長嶋茂雄、王貞治、柴田勲、阿部慎之助に続き史上6人目の偉業でもある。

 坂本は試合後のインタビューにて、達成の後押しとなってくれた存在を"3人"挙げた。一人は光星学院高のである金沢成奉監督、球場に詰めかけてくれるファン、そして1年目から坂本を一軍で抜擢した原辰徳監督だ。

 果たして、"プロの恩師"である原監督の目に、快挙の瞬間はどう映ったのだろうか。原監督はまず「彼らしいツーベース。本当に良かったね」と笑顔を見せると、「ただ、まだまだ途上の選手なんだ」とコメント。
 
「あの2000本の後のホームラン、2001本目のホームラン、これが本当にすごかった。3000本を目指していってくれるだろう。本人もそのつもりだろうし、そういう選手なんだろう」として、続く第2打席でバックスクリーンに本塁打を叩き込んだ瞬間にこそ、坂本勇人という選手の凄さが凝縮していたと表現している。そしてあの一発の瞬間に、「3000本へのスタートを切った」と確信したという。

 2006年の高校生ドラフト会議。巨人が"最初"に1位で指名したのは堂上直倫(愛工大名電高)だった。しかし、中日と阪神との競合となり、巨人はくじを外して"外れ1位"で坂本を指名した。そして、原監督は「内野手でスーパースターをつくりたい!」という強い想いを胸に、坂本は1年目から一軍で抜擢。時に厳しい言葉を投げかけていたが、その期待に坂本は見事に応えて「スーパースター」へと成長した。

 史上2人目となる3000本への道のりは、2000本以上に険しいものになるだろう。年齢を重ねれば、パフォーマンスが落ちる可能性はどんどん高くなる。しかし、「坂本ならやってくれる」。彼の姿を見ていると、巨人ファンならずとも、そんな期待を抱かずにはいられないのではないだろうか。

構成●SLUGGER編集部
NEXT
PAGE
【動画】坂本勇人の“2001安打”目は完璧なホームラン! 3000本へのカウントダウンが始まった