プロ野球

「ワンチーム」で2連覇をつかんだジャイアンツ。昨年叶わなかった日本一の夢を今度こそ【密着女子アナが見た巨人】

真鍋杏奈

2020.11.17

圧倒的な強さで2連覇を果たした巨人だが、原監督は「長く、苦しいペナントレースだった」と振り返った。写真:産経新聞社

 エース・菅野智之が達成したプロ野球新記録の開幕投手からの13連勝、主将・坂本勇人の通算2000安打達成。そして、2年続けてのリーグ制覇。今年も、ファンをドキドキワクワクさせてくれた。

 6月19日、無観客でシーズンが開幕し、球場には打球音や選手たちの声だけが大きく響いていた。連戦や移動が続くハードな日程、ベンチではマスク姿、勝利のハイタッチも自粛。「こんな年だからこそ、ジャイアンツが優勝しなければならない」。原辰徳監督は、そう強く語っていた。

 そして、実際にリーグV2を決めた後、原監督は異例で特別な年の優勝を「格別」と表現し、「毎年、優勝はどう表現していいか分からない感激があるけど、今年は特に長く、苦しいペナントレースだった」と振り返った。そして、「ワンチームになって戦えたこと」を勝因に挙げた。

 今季は私たち報道陣もグラウンドレベルに降りての取材はできなかったので、いつも感じる空気感は直接には分からなかった。それでも、選手たちの笑顔が多く見られ、チームの雰囲気がいいことはうかがい知れた。
 
 優勝会見で印象的だったのが、坂本と丸からともに出た言葉だった。「自分の状態が上がらない中、チームメイトがカバーして助けてくれた。感謝している」

 2人に結果が出ていなかったシーズン序盤、それを補うように4番・岡本和真を中心にさまざまな選手がチームを支えた。ベテランの中島宏之や亀井善行から、若手の吉川尚輝、松原聖弥や大江竜聖、楽天からトレードで途中加入したウィーラーや高梨雄平も、すぐにチームに溶け込んで活躍した。

 昨季から大きく成長した選手もいる。戸郷翔征は史上初となる高卒2年目以内の開幕3戦3勝も成し遂げると、ローテーションを守りながら菅野に次ぐ9勝を挙げた。なかなか勝てない時期も経験し、気持ちが落ちたこともあったそうだが、「必ず人生には負けはある」と前を向いて、強気なピッチングを見せ続けた。ひと回りもふた回りも大きくなった姿に、親心のような(笑)嬉しさを覚えた。