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プロ野球

【氏原英明の日本シリーズ展望】いよいよ開幕!楽しみにしたい2つの“リターンマッチ”

氏原英明

2020.11.21

巨人の投打の軸、菅野(左)と岡本(右)の“リベンジ”がシリーズの行方を左右する。写真:山崎賢人

巨人の投打の軸、菅野(左)と岡本(右)の“リベンジ”がシリーズの行方を左右する。写真:山崎賢人

 21日、2020年の日本シリーズが幕を開ける。

 コロナ禍によるイレギュラーなシーズンのクライマックスは、昨季と同カードのいわゆる“リターンマッチ”だ。昨季はソフトバンクに0勝4敗と完膚なきまでにやられた巨人が、どういう思いで挑んでくるかは想像に難くない。

 中でも、楽しみにしたいのは昨年の日本シリーズを動かした2つの対決だ。一つは千賀滉大vs岡本和真。もう一つは、菅野智之vsグラシアルである。

 まず、昨季の対決から振り返る。

 初戦に先発した千賀は、7回を3安打1失点に抑えて巨人打線に付け入る隙を与えず勝利投手になった。

 もっとも、一方的な試合だったわけではない。巨人が2回に阿部慎之助の本塁打で先制し、その裏にはソフトバンクがグラシアルの2ランですぐに逆転するなど、序盤は目まぐるしい主導権争いがあった。その中でターニングポイントとなったのが、3回表の巨人の攻撃、千賀が2つの四球を許し、2死一、三塁で主砲の岡本を迎えた場面だ。
 
 巨人としては逆転の好機だったが、ここでの千賀の投球は見事だった。まず、2球続けてフォークを投じ、いずれも空振りを奪って0-2。その後は岡本が何とか粘り、フルカウントまでこぎ着けた後の6球目。千賀と甲斐拓也のバッテリーは、インコースのストレートを選択した。これが岡本のバットをへし折って、どん詰まりのショートゴロに抑えて逆転を許さなかった。

 もっとも、この結果は最後の1球だけに集約されない。実は1打席目から布石はあった。この時は千賀がインコースに2球続けてカットボールを投じ、岡本はどん詰まりのピッチャーゴロに打ち取られた。このイメージがあったのか、2打席目のインコースのストレートに岡本は完全に翻弄されていた。

 昨今の投手の配球は緩急をつけるばかりではない。千賀のこの投球に見られるように、異なる球種を似たようなコース、似たような球速帯で投じるピッチトンネルで、打者の見極めを難しくする。

 千賀に完敗した岡本だったが、この勝負を振り返った時の反応が実に面白かった。「カットボールの残像にやられたんでしょ?」と水を向けると、怒気を含んでこう返してきたのだ。

「千賀さんのカットボールの被打率知ってます? 野球をやっていたら誰でも分かることですけど、カットボール自体はそんな難しい球じゃない。ちょっと我慢すれば打てるんです。千賀さんがすごいのはカットボールも、ストレートもインコースに投げ切れるからです。完璧に投げられたらしゃあないっすよ」

 とても岡本らしいコメントだ。押し並べてヒットメーカータイプの打者は、難しい球でも何とか安打にしようとする一方、岡本のようなアーティストは失投を見逃さずに打つ、甘い球を待って打つタイプが多い。「あんな厳しいところに投げられたら仕方がない」発言は、岡本の矜恃でもあるのだ。

 今回の日本シリーズは初戦に千賀が先発するが、昨季の経験を踏まえて岡本はどう対峙するのか。一年の歳月を経た再戦は、シリーズ序盤の楽しみの一つだ。
 
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完全復活した菅野の“リベンジ”は?

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