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プロ野球

【2020総括|西武】看板の"山賊打線"がまさかの不振…得点数リーグ4位で勝率5割到達がやっと

nerimamo

2020.12.02

ここ数年、打線を牽引してきた中軸の山川(左)、森(右)など中心選手がいずれも低調な出来に終わった。写真:田口有史

ここ数年、打線を牽引してきた中軸の山川(左)、森(右)など中心選手がいずれも低調な出来に終わった。写真:田口有史

▶今季の総括
 2018~19年のパ・リーグ連覇の原動力となった“山賊打線”の爆発力が鳴りを潜め、得点数はまさかのリーグ4位。一方で投手陣は3年連続のリーグ最多失点と、投打ともに苦しい戦いに終始し、シーズン終盤の追い上げで3位に入ったものの、勝率5割に乗せるのがやっとだった。

 打線は、新加入のスパンジェンバーグがリーグワーストの150三振を喫しながらにチームトップの長打率(.482)をマーク、37歳の栗山巧が12本塁打&OPS.790とキャリアハイに近い成績を残したのが数少ない収穫と言えるくらい全体的に低調だった。

 不動の1番・センターだった秋山翔吾がメジャーに移籍し、多少の攻撃力ダウンは織り込み済だったとはいえ、2年連続本塁打王の山川穂高、昨季は首位打者に輝いてMVPを受賞した森友哉、好打者の外崎修汰がいずれもレギュラー定着以降でワーストの成績に沈んだのは大きな誤算だった。秋山が抜けた外野でも、外野手登録の全12選手が起用されたが、期待された若手の躍進は見られず、穴がぽっかりと空いたままだった。

 投手陣では増田達至、平良海馬、森脇亮介を中心に強力な勝ちパターンを確立。増田と平良は無敗、森脇も1敗のみで、少ないリードを確実に守り切るという前年までと大きく変わった戦い方を見せた。しかし、先発陣はQS率33.3%と今年も予想通り大苦戦。高橋光成が自身初の規定投球回に到達したものの、ニールは11連勝を記録した前年の輝きはまったくなく、6月の練習試合で期待を集めた今井達也も制球難を克服できないままシーズンを終えた。

 松本航や浜屋将太ら若手の活躍もあったが、二軍では十亀剣・榎田大樹などベテランの登板機会が多く、若手を一軍に供給できなかったのも残念だった。今季から創設された三軍で体づくりに励む若獅子たちが二軍で成績を残せるようになるまで、投手難という課題を解決するのは難しいかもしれない。
 
▶2021年のキーマン
「外野手全員」

“山賊打線”復活には、山川ら主軸の復調はもちろん、外野陣全体の打力アップも欠かせない。今季はスパンジェンバーグ、栗山以外は誰も満足な成績を残せず。金子侑司、木村文紀も、守備や走塁はともかく打力不足は明らかだった。

 若手では7月に1番・センターを務めた鈴木将平が最もレギュラーに近い存在だが、46試合で打率.207と結果を残せなかった。球団も現状に危機感を覚えてか、ドラフトは支配下と育成で2名ずつ外野手を指名、来季は総勢16名での争いとなる。チャンスは大いにある一方で、結果を残せなければ、崖っぷちに立たされる選手も出てきそうだ。

文●nerimamo
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