MLB

ナショナルズは悪しきジンクスを払しょくできるか?【MLBプレーオフ展望:NLワイルドカード・ゲーム】

スラッガー編集部

2019.10.01

最多勝4度、サイ・ヤング賞3度の実績を誇るシャーザー。一発勝負のワイルドカード・ゲームでチームを勝利に導けるだろうか。(C)Getty Images

 いよいよ明日(現地10月1日、日本時間2日)からMLBのプレーオフが始まる。先陣を切るのは、ナショナルズとブルワーズが激突するナショナル・リーグのワイルドカード・ゲームだ。負けたら終わりの一発勝負を制するのはどちらのチームなのか。3つの注目ポイントを探ってみた。

●シャーザーのコンディションは万全?

 ナショナルズの先発は、サイ・ヤング賞3度の実績を誇るマックス・シャーザー。今季は故障もあって無冠に終わったものの、史上2人目の8年連続200奪三振の金字塔を打ち立てるなど、支配力は失っていない。

 しかも、ブルワーズの中心打者に対して相性がいい。ヤズマニ・グランダル(通算16打数1安打、打率.063、OPS.229)、ライアン・ブラウン(14打数0安打)、マイク・ムスタカス(36打数6安打、打率.167、OPS.467)を完全に封じている。ブルワーズはただでさえ44本塁打のクリスチャン・イェリッチを故障で欠くだけに、グランダルらが打棒を発揮ができないとかなり苦しい。


 ただ、シャーザーには不安要素もある。8月末に肩の故障から復帰後は7先発でQSはわずか1回、防御率4.73と彼らしくない投球が続いている。また、シャーザーはポストシーズンでもあまり結果を残せていない。ナショナルズ加入後に登板した4試合は防御率3.72で勝ち星なし(2敗)と意外に"持っていない"のだ。

●ブルワーズの強力"ドクターK"トリオ

 防御率はリーグ9位の4.40と一見、平凡なブルワーズだが、現在の陣容はかなり充実している。特に三振奪取能力の高さが特徴で、クローザーのジョシュ・ヘイダー(防御率2.62、37セーブ)は奪三振率16.41、さらに途中加入したドリュー・ポメランツは移籍後24試合で防御率2.42、奪三振率16.20とヘイダーに遜色ない好投を見せており、フレディ・ペラルタも9月は9.2回で20奪三振、奪三振率18.62と大暴れ。9月に20勝7敗の猛チャージを見せた逆転プレーオフの原動力になった。3人とも、元々先発だったこともあって複数イニングをこなせるのも大きい。明日も早めの継投で臨むだろう。
NEXT
PAGE
不安定なブルペン以上に気になるナショナルズの“弱点”