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「DJ・ルメイユが最優先」FAの田中将大、ヤンキースとの再契約に逆風。米解説者が言及「田中の時代は終わるかもしれない」

白鳥純一

2020.12.10

FAの田中は「悔いのない選択をしたい」と率直な思いを語った。(C)Getty Images

 ニューヨーク・ヤンキースとの7年契約を終え、FAになった田中将大。一時はヤンキースへの残留が基本線と見られていたが、ここに来て再契約が難航していることを複数の現地メディアが伝えている。

 大手メディアが「田中将大のFA ヤンキースファンに警告」(ニューヨーク・タイムズ)、「マイケル・ケイが田中将大にヤンキースのファンにフリーエージェントの警告を出す」(ニューヨーク・ポスト)などの見出しで掲載。いずれもヤンキースの試合で実況を務めている『YES television』のマイケル・ケイ氏によるコメントを元に構成された記事だ。

 マイケル・ケイ氏は、今シーズンの首位打者を獲得したDJ・ルメイユのFAが、田中の去就にも影響を与える可能性があることを指摘し、自身の見解を述べている。

「ルメイユとの契約は、ヤンキースにとっての最優先事項です。これは私の推測ですが、ルメイユとの契約には、年間およそ2000万ドルが必要になります。ヤンキースはルメイユ、田中の順に再契約を結ぶ意向のようですが、ルメイユとの契約を終えた後のヤンキースに、田中の年俸を支払うほどの資金が残されているとは思えません」
 
 そして同氏は、今後の見通しや、来シーズンのヤンキースについても語った。

「現在、田中の年俸はおよそ2300万ドル。次の契約では、おそらく年俸の削減を言い渡されることになるでしょうが、来シーズンの契約を結ぶのはルメイユと田中のいずれか1名に限られる可能性もあります。今シーズン限りで『田中の時代』は終わり、来シーズンは若手投手たちとともにシーズンを歩むことになるかもしれません」

『NJ.com』は、これらのコメントに加えて、来シーズンのヤンキースの展望にも言及。「オフシーズンの動きがまだ見えない点に加え、来シーズンも正2塁手のルメイユが欠かせない戦力であること。投手陣に目を向けると、家庭暴力などの影響で出場停止だったドミンゴ・ヘルマンや、トミージョン手術からの復帰を目指すルイス・セベリーノの復帰」といった事項が列挙されている。

 初のFAを獲得した田中は、シーズン後に7年間過ごしたヤンキースへの愛着と「悔いのない選択をしたい」と率直な思いを語った。コロナ禍のタイミングで進路選択を強いられることになった右腕は、どのような決断をするのだろうか。

文●白鳥純一(フリーライター)
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