プロ野球

ロハスJr.はなぜ同額オファーでも巨人ではなく阪神を選んだのか。決定的な違いは…

THE DIGEST編集部

2020.12.15

巨人も阪神と同じオファーをロハスJr.に提示したが、タイガースに軍配が上がった。彼が阪神移籍を決めた背景とはいったい? (C)Getty Images

 このオフ、阪神が期待の大砲として韓国プロ野球(KBO)から獲得したのがメル・ロハスJr.だ。今季KBOで47本塁打&135打点の二冠、打率.349はリーグ3位と衝撃的な成績を残してMVPを受賞した両打ち外野手を巡っては、日米韓で大争奪戦が展開された。

 そして7日に「巨人と大筋合意」との報道が流れて話題を呼んだものの、本人が自身のSNSで直接否定。一転して9日には、MLBの敏腕記者であるジョン・モロシ氏が阪神と合意に至ったと報じ、争奪戦に終止符が打たれた形となった。二転三転した"ロハスJr.狂騒曲"だが、果たしてなぜ彼は阪神入りを決めたのだろうか。ロハスJr.は15日、自身のツイッター(@melrojasjr)で韓国の通信社『聯合ニュース』によるインタビュー記事をリツイートし、その"真相"を語っている。
 
 ロハスJr.はまず、MLB球団からの自身の評価が想像以上に低かったことを明かし、見返すために日本球界への移籍を決めたこと、さらには巨人からも阪神と同じオファーを提示されたことを明かした。同じ条件でありながら、両球団の決定的な違いとなったのは、地理的な要因だったようだ。

「タイガースは来季に向けて本当に素晴らしいチーム作りを行っている」と、阪神編成部門の意欲的な姿勢に言及。そして、「東京は本当に素晴らしいし、ジャイアンツは日本のニューヨーク・ヤンキースのようなチームだ」として、"球界の盟主"へのリスペクトを払った。それでもなお、「タイガースは東京よりも家族に優しい西宮にあるチーム。家族も一緒に来る予定だ」として、2012年から5年連続で「関西住みやすい街ランキング」第1位に選ばれている西宮が最後の決め手になったという。

 ロハスJr.の言葉で見逃せないのは環境面はもちろん、阪神の補強姿勢を評価している点だ。阪神はこのオフ、打者ではロハスJr.を獲得し、投手では今季KBOで20勝を挙げて最多勝に輝いたラウル・アルカンタラとも合意間近だという。そして14日には、メジャー移籍が濃厚視されていたセーブ王のロベルト・スアレスにも2年675万ドル(約7億円)の好条件を提示して翻意に成功。こうした編成部の努力がまた、勝利を目指す外国人選手の心をつかんだのだろう。

構成●THE DIGEST編集部
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