プロ野球

「OPS」「四球率」はヤクルト勢がワンツー。村上は抜群の勝負強さも披露【表彰されざる男たち(セ・リーグ野手編)】

藤原彬

2020.12.24

20歳の村上(右)と大ベテランの青木(左)、ヤクルト勢の2人がOPSや四球率でリーグ1、2位に入った。写真:山崎賢人

 打率や本塁打、打点など個人タイトルの対象となっている部門以外の主要カテゴリーのベスト3を紹介する。今回はセ・リーグ打者編だ。
(※率系部門は規定打席到達者27人が対象)

■OPS(出塁率+長打率)
1.村上宗隆(ヤクルト) 1.012
2.青木宣親(ヤクルト) .981
3.鈴木誠也(広島) .953

 総合的な打力を測るOPSで、昨季は新人王に輝いた村上が堂々のリーグベスト。一方、青木は38歳でキャリアハイのOPSと長打率(.557)を記録し、ヤクルトの若手スターとベテランが1、2位を占めた。ちなみにリーグワーストもヤクルトのエスコバー。打率こそ.273とまずまずだが、出塁率(.312)、長打率(.329)とも低調だった。

■四球率(四球÷打席)
1.村上宗隆(ヤクルト) 16.9%
2.青木宣親(ヤクルト) 14.6%
3.鈴木誠也(広島) 14.0%

 OPSと出塁率のリーグベスト3がそのまま上位を占めた。村上は87四球だけでなく12敬遠もリーグ最多の貫禄で、四球率は昨季の12.5%から大きく上昇。青木はこちらもキャリアハイを更新し、鈴木は3年連続で3位以内に入った。昨季の1位は球界屈指の選球眼を誇る山田哲人(ヤクルト)だが、今季は17.2%から12.5%と低下してしまった(これでもすごいが)。
 
■三振率(三振÷打席)
1.宮﨑敏郎(DeNA) 6.3%
2.大島洋平(中日) 9.7%
3.ビシエド(中日) 10.4%

 宮﨑が自己ベストを塗り替えて4年連続の1位。一度だけ2三振を喫したが、他の全試合は1三振以下だった。大島は開幕から12試合連続無三振でスタートした。阪神のサンズ(23.9%)とボーア(23.2%)がワースト2で、パワーは発揮したが粗さは弱点だった。

■BB/K(四球÷三振)
1.青木宣親(ヤクルト) 1.22
2.鈴木誠也(広島) 0.99
3.大島洋平(中日) 0.92

 四球を三振で割った比率で、打者の打席アプローチをはかる指標。青木と大島はキャリアハイを更新し、磨きをかけた選球眼の良さが、年齢を感じさせない好成績につながっている。特に青木は規定打席到達者で唯一、三振(51)を超える四球(62)を選んだ。鈴木は左投手相手に2.54と群を抜く数値。松山竜平(広島)は昨季から急激に数字を落として(0.69→0.24)でリーグワーストに沈んだ。

■本塁打率(打数÷本塁打)
1.岡本和真(巨人) 14.19
2.大山悠輔(阪神) 15.11
3.村上宗隆(ヤクルト) 15.14

 本塁打王レースを争った3人が順当にランクイン。タイトルを手にした岡本は本拠地・東京ドームで10.57、村上も神宮球場で13.53と地の利をいかして上積みしだが、大山はホームランの出にくい甲子園球場を味方にできず、本拠地では17.42にとどまった。規定打席未満では、オースティン(DeNA)が238打数で20本、本塁打率11.90を記録するパワーを発揮した。