ソフトバンクの千賀滉大VS楽天の則本昂大――。
クライマックスシリーズファーストステージ初戦のマッチアップに、多くのファンや関係者が息詰まる投手戦を想像したに違いない。2人の実績を考えると当然だが、ふたを開けると膨らんだ期待は短期決戦の鉄則である「何が起こるか分からない」の前に霧散した。一発攻勢で試合が進行するとは、考えられなかったのではないだろうか。結果的に両チーム計6本のホームランが、この試合のハイライトとほぼイコールになった。
会心の当たりではなかったが、飛距離117mの先制ソロアーチがテラス席へ飛び込んだ。1点を失ったソフトバンクは、直後の攻撃で今宮健太が同点の一発。浅村と同様に外角の変化球をうまく叩き、打球の着弾も同じくライト側のテラス席だった。同点で迎えた2回には走者を1塁に置き、内川聖一がレフト側のテラス席へ2ランを放つ。内角球をうまくさばいた打球は角度17度の低空で飛び、フェンスを越えていった。
2点を勝ち越された楽天は3回にすぐさま反撃する。この回、先頭の9番・オコエ瑠偉が千賀の高め速球を振り抜くと、角度43度で上空高くを舞い上がった打球がレフトスタンドへ。5回には浅村が速球を弾き返して、今度はレフトスタンドへ同点アーチを叩き込んだ。先発の則本は味方の援護を受けて立ち直り、4回からの3イニングスで許した走者は1人だけ。6回を投げ切って退くと、直後に茂木栄五郎がセンター方向へソロ本塁打を放った。
初回、楽天は浅村栄斗が変化球を得意の逆方向へ流し打つ。
2点を勝ち越された楽天は3回にすぐさま反撃する。この回、