プロ野球

ヤクルトの“ドラ1ルーキー“木澤尚文が捕手を座らせて「33球」。高津監督や青木もブルペンで熱視線〈SLUGGER〉

岩国誠

2021.02.03

木澤は「自分自身の出したい力に対して、ボールの力は比例していた」と、独特の表現で振り返った。写真:岩国誠

 ヤクルトのドラフト1位・木澤尚文投手が3日、今キャンプ2度目のブルペン入り。同い年の古賀雄大捕手を座らせ、直球のみ33球を投げ込んだ。

 新人合同自主トレでは149キロを計測したが、「指にかかっていたボールかと言われれば、そうではなかった」と、木澤が納得したボールではなかった。キャンプ初日に軽めの調整でブルペン入りし、2度目となる今回は1球1球にじっくり時間を使い、ボールに意志を込めて投げているように見受けられた。

 投球を終えた木澤は「自分自身の出したい力に対して、ボールの力は比例していた。そこに関しては順調だと思います」と、独特の表現で振り返った。

 現在、課題として取り組んでいるのは、石井弘寿投手コーチから指摘を受けた「投球時の体の横ブレ」。体を細く使う意識を養うため、傾斜のついた平均台のようなボックスの上で、シャドーピッチングなどを行っているというが、これまでやって来なかったトレーニング方法に「真新しい刺激を受けています」と、充実した表情を浮かべていた。
 
 プロでのキャンプも3日目。当初はわからないことも多かったというが、先輩たちとコミュニケーションをとっていく中で、大きな戸惑いなく第1クールが終了した。シーズンへ向け、第2クール以降は、実戦形式の練習も増えてくる。

「ストレートを自分の理想のタイミングでボールを叩けるように、しっかり指にかかったボールが投げられるようにというのが、まずは最初かなと思っています。まだ変化球とかは投げていないので第2クール、第3クールと状態をあげて、実戦につなげていきたいと思います」

 目指すのはもちろん開幕ローテーション入りだ。

「開幕は先ではありますが、キャンプでどれだけ準備できるかが全てだと思うので、僕自身の長所をどんどん出して、とにかく結果を出していきたいと思います」

 この日は高津監督やコーチ陣の他に、ベテラン・青木宣親もブルペンに姿を見せ、木澤の投球に熱視線を送っていた。最速155キロのドラ1ルーキーが周囲の期待にどう応えていくのか。実戦登板が待ち遠しい限りだ。

取材・文●岩国誠