楽天の第2クール2日目。前日同様、サブグラウンドでの別メニュー調整を行なっていた田中将大は、キャッチボールを終えると、すぐにブルペンへ向かった。8年ぶりのユニフォーム姿。その背中にはしっかり”TANAKA 18”の文字が刻まれている。
「選手にとって、ユニフォームは”正装”なので、気持ちが入ります」
まだ全体練習中ということもあり、他の投手陣は不在で貸し切り状態のブルペン、その真ん中のレーンへ田中は歩を進める。
【沖縄キャンプPHOTO】田中将大がブルペンで40球!スライダー、ツーシーム、スプリット等々、全球種を披露!
相手を務める3年目・太田光捕手へ要望などを伝えると、まずは捕手を立たせた状態で投球を開始。小気味よいテンポでの12球。8球目から3球カーブを交えた。
促された太田が膝を折り、座ってミットを構える。ブルペンを不思議な緊張感が支配する。ひと息大きく息を吐き、田中の初ブルペン投球が始まった。まずはストレート。1球投げるごとに、大きなシャッター音が鳴り響く。
「(チーム復帰)最初のブルペンということもあって、これだけ注目していただいて。シャッター音もパシャパシャ鳴る中だったので、自然と力が入りました」
「ふーっ!」っと、時折大きく息を吐き、投球間隔を空ける。オーバーワークにならないよう、はやる気持ちを制御しているように感じられた。
9球目にカーブ。ここから、スライダー、ツーシーム、カットボール、スプリットと、変化球も織り交ぜながら、NPB球や柔らかいマウンドでの投球感触をしっかりと確かめる。
「監督や投手コーチからも、ここ(金武町ベースボールスタジアム)のマウンドが一番柔らかいくらいだと言われていました。他はもう少し硬いって聞いていたので、ここでちゃんと投げられていれば。(NPB球も)やっぱり多少のズレはありますが、大きなものではなかったので、現状大丈夫かなと思います」
最後の4球は、伊志嶺ブルペン捕手を左打席に立たせた。ストレート、スライダー、ストレート。太田が構えたところにボールが収まる。見ていた小山コーチも「そこ行く!?」と思わず声をあげた。
「フーッ……」。ラスト1球、ひと際大きく息を吐いてから投じたストレートが、太田のミットに吸い込まれる。「オッケー!」田中のこの声で、40球のオンステージが終了。受けた太田に「ありがとう」と声をかけ、白い歯を見せた。
「投げられる限りは、しっかり投げました。マウンドの感触とかいろいろ確認しながらでしたが、自分としてはどれだけ投げられるのか。球種ひとつにしてもどういう感じで、今投げられるのか確認したかったし、キャッチャーの構えたところへしっかり制球できるかとか。(変化球も)全然自分の思っているより投げられたので、良かったと思います」
手応えは上々だった初ブルペン。その40球は、ランナーを想定したクイックモーションのほか、昨年取り組んでいたワインドアップではなく、ノーワインドアップに戻しての投球だった。
「(今年は)もう、あれでやっていきます。やっぱりこれかなという感じです」
多くは語らなかったものの、次回のブルペン登板は自分の中では決めているという。その表情からも確かな手応えを感じている様子だった。早くもベールを脱いだ”2021年型”田中将大。実戦でその姿を見られる日は、我々の予想以上に早いかもしれない。
取材・文●岩国誠
【沖縄キャンプPHOTO】田中将大がブルペンで40球!スライダー、ツーシーム、スプリット等々、全球種を披露!
「選手にとって、ユニフォームは”正装”なので、気持ちが入ります」
まだ全体練習中ということもあり、他の投手陣は不在で貸し切り状態のブルペン、その真ん中のレーンへ田中は歩を進める。
【沖縄キャンプPHOTO】田中将大がブルペンで40球!スライダー、ツーシーム、スプリット等々、全球種を披露!
相手を務める3年目・太田光捕手へ要望などを伝えると、まずは捕手を立たせた状態で投球を開始。小気味よいテンポでの12球。8球目から3球カーブを交えた。
促された太田が膝を折り、座ってミットを構える。ブルペンを不思議な緊張感が支配する。ひと息大きく息を吐き、田中の初ブルペン投球が始まった。まずはストレート。1球投げるごとに、大きなシャッター音が鳴り響く。
「(チーム復帰)最初のブルペンということもあって、これだけ注目していただいて。シャッター音もパシャパシャ鳴る中だったので、自然と力が入りました」
「ふーっ!」っと、時折大きく息を吐き、投球間隔を空ける。オーバーワークにならないよう、はやる気持ちを制御しているように感じられた。
9球目にカーブ。ここから、スライダー、ツーシーム、カットボール、スプリットと、変化球も織り交ぜながら、NPB球や柔らかいマウンドでの投球感触をしっかりと確かめる。
「監督や投手コーチからも、ここ(金武町ベースボールスタジアム)のマウンドが一番柔らかいくらいだと言われていました。他はもう少し硬いって聞いていたので、ここでちゃんと投げられていれば。(NPB球も)やっぱり多少のズレはありますが、大きなものではなかったので、現状大丈夫かなと思います」
最後の4球は、伊志嶺ブルペン捕手を左打席に立たせた。ストレート、スライダー、ストレート。太田が構えたところにボールが収まる。見ていた小山コーチも「そこ行く!?」と思わず声をあげた。
「フーッ……」。ラスト1球、ひと際大きく息を吐いてから投じたストレートが、太田のミットに吸い込まれる。「オッケー!」田中のこの声で、40球のオンステージが終了。受けた太田に「ありがとう」と声をかけ、白い歯を見せた。
「投げられる限りは、しっかり投げました。マウンドの感触とかいろいろ確認しながらでしたが、自分としてはどれだけ投げられるのか。球種ひとつにしてもどういう感じで、今投げられるのか確認したかったし、キャッチャーの構えたところへしっかり制球できるかとか。(変化球も)全然自分の思っているより投げられたので、良かったと思います」
手応えは上々だった初ブルペン。その40球は、ランナーを想定したクイックモーションのほか、昨年取り組んでいたワインドアップではなく、ノーワインドアップに戻しての投球だった。
「(今年は)もう、あれでやっていきます。やっぱりこれかなという感じです」
多くは語らなかったものの、次回のブルペン登板は自分の中では決めているという。その表情からも確かな手応えを感じている様子だった。早くもベールを脱いだ”2021年型”田中将大。実戦でその姿を見られる日は、我々の予想以上に早いかもしれない。
取材・文●岩国誠
【沖縄キャンプPHOTO】田中将大がブルペンで40球!スライダー、ツーシーム、スプリット等々、全球種を披露!