プロ野球

巨人S班野手陣、嵐の中で第2クールスタート!坂本、丸、梶谷らが1時間半のフリーバッティング

岩国誠

2021.02.11

この日の宮崎では一軍本隊が紅白戦。坂本は、その映像が流れるパソコンを、インターバルの度にチェックした。写真:岩国誠

 巨人S班沖縄・那覇キャンプは11日、第2クールに突入。この日は最大瞬間風速24mを観測するなど、強風を伴った激しい雨のため、室内練習場での練習となったが、そんな空模様に気を取られることなく主力野手陣たちは、精力的にバットを振り込んだ。

 9時半から始まったウォーミングアップとフィジカル強化メニューを消化すると、野手陣はまず5箇所に別れてのティーバッティング。通常の公式球ではなく、ソフトボールくらいの大きさのボールをネットに向けて打ち込んだ。

 続いては3班に分かれてのフリーバッティング。坂本勇人、丸佳浩、梶谷隆幸ら、S班野手10名がティー、マシン、打撃投手のボールをローテーションで約1時間半、ひたすらにバットを降り続けた。

 11時半ごろ。ランチ時間に差し掛かり、各選手が一度引き上げる中、陽岱鋼、小林誠司、吉川尚輝が室内練習場に残留。打撃投手を務める石井琢朗野手総合コーチが、投球に緩急を織り交ぜる中、そのボールに対応しながら力強く弾き返していた。
 
 その中でもこの日、早出特打から精力的にバットを振っていたのが小林。3人での練習が終わると、その石井コーチとマンツーマンのティー打撃へ。スタッフが撮影した動画をその場で石井コーチと確認しながら指導を仰ぎ、徹底的に打撃強化に務めていた。昨年2度の骨折もあって一軍出場はわずかに10試合。正捕手奪還への思いがひしひしと伝わってきた。

 小林が打ち込みを行っている間に、ランチを終えた丸と坂本が再び室内練習場へ。丸はマシンの球道と速さを調整してから、約30分間、ひたすらセンター方向へライナー性の打球を飛ばし続ける。打球を打つたび放つ「シュー!」という気迫のこもった掛け声が、室内練習場に響き渡った。

 坂本は2本のバットを交互に持ち替えながら、正面からのトスをこちらもセンター方向へのライナーで弾き返す。しばらく打ち込みを行った後、今度はメディシングボールを使ったトレーニングに時間を費やしていた。

 この時、宮崎では一軍本隊が紅白戦の真っ最中。その試合が流れていたパソコンを見つけた坂本は、インターバル時になるたびにその画面に目を向ける。キャプテンとして、どんな選手がアピールしているのか気になると言ったところだろうか。

 そのほか、梶谷、中島宏之、ウィーラー、炭谷銀仁朗といったあたりは室内練習場に再び姿を見せ、打ち込みを慣行。吉川も遠投やノックを受けていた。

 紅白戦でアピールした宮崎組が合流してくるのは16日、その翌日には広島との練習試合が待っている。セ・リーグ3連覇、そして日本一奪還に向けて、今シーズン最初の対外試合で原監督は、どんな選手起用を見せるのか。大人扱いをされているS班たちの心中も静かに燃えているはずだ。

取材・文●岩国誠