プロ野球

【2021展望:中日】昨季は8年ぶりのAクラス。さらなる高みに到達するためには得点力向上が不可欠〈SLUGGER〉

ロバートさん

2021.03.24

開幕スタメンを勝ち取りそうな根尾。3年目の飛躍に期待が集まる。写真:滝川敏之

 いよいよ2021年のプロ野球が開幕する。頂点を目指す12球団それぞれの浮沈を左右するキーポイントとは一体どこなのか。注目選手も含め、球団ごとに見ていこう。

【2020年成績】
勝敗:60勝55敗5分(3位)
得点:429(6位)
失点:489(4位)
得失点差:-60(5位)

【展望】
 昨季は沢村賞を獲得した大野雄大の快投やブルペン陣の頑張りで、8年ぶりのAクラス入り。長く続いた低迷の出口がようやく見えてきた。今季はかつての黄金期を支えた福留孝介が14年ぶりに復帰。プロ3年目を迎える根尾昂を筆頭に岡林勇希、石橋康太、清水達也といった若手有望株たちの一軍定着も期待されている。与田剛監督は3年契約最終年。リーグ最低の得点力向上で昨年以上の成果をつかみたい。
 
【2021年のキーポイント】
●ブルペンのさらなる底上げで接戦を勝ち切る

 まず僅差の終盤で起用できる投手を一人でも多く用意することが重要になる。得点力不足でも優勝を実現するには、盤石なリリーフを武器に接戦を確実にものにしていくことが求められる。昨季は6回終了リード時に37連勝を記録したが、今年も「僅差で勝つ」ことが勝率アップのためには現実的な戦略だろう。

 ただ、昨季は祖父江大輔、福敬登、R・マルティネスの「大福丸」への依存が目立ち、3連投以上の回数15回はDeNAに次いでリーグ2番目の多さ。与田監督も「勝利の方程式を2パターン作れれば」と発言しているように、勝ちパターンの投手を増やすことが安定したブルペン運用に繋がる。今季は延長なしも決定しているだけに、リリーフを質量とも充実させることで、早めの継投で勝負を懸ける戦術も取り得る。注目したいのは鈴木博志だ。オープン戦ではカットボールとツーシームを武器に、6試合で無失点の好投。開幕後もこの安定感が続くようだと、勝ちパターンの一角に食い込んでくるだろう。
 
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得点力向上のためには平田の復活が絶対条件