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プロ野球

大砲・佐藤輝明へ連なる大卒大物スラッガーの系譜――阪神ファンを熱狂させたゴールデンルーキー列伝

SLUGGER編集部

2021.03.29

実は佐藤以前にも、阪神の球団史には大卒野手の新人スラッガーが多い。写真:山手琢也

実は佐藤以前にも、阪神の球団史には大卒野手の新人スラッガーが多い。写真:山手琢也

 昨年のドラフトで4球団競合の末に阪神へ入団し、オープン戦ではドラフト制以降で新人初の本塁打王に輝いた佐藤輝明。その存在感は、まさにゴールデンルーキーと呼ぶにふさわしい。だが、これまでにも阪神では、佐藤と同じ大卒の大物野手ルーキーたちが活躍してきた。そんな新人スラッガーたちの系譜を振り返る。

▼別当薫(1947年入団)
 甲子園球場のそばにある甲陽中(現・甲陽学院高)の出身で、慶応大では、かの有名な“最後の早慶戦”に4番センターで出場したスラッガー。兵役を挟んで46年に慶大を卒業した後、一度はノンプロチーム全大阪に1年だけ所属したため、厳密には大卒ではない。

 とはいえ、元六大学野球のスター入団に、当時は珍しかった女性ファンが甲子園球場に多数集結。当時阪神の主砲だった藤村冨美男も、別当のあまりの人気ぶりに激しい嫉妬をおぼえたという。人気だけでなく実力も高く、1年目から89試合に出場して打率.328、13本塁打。3年目の50年には43本塁打&105打点で二冠に輝いただけでなく、打率.335、34盗塁でトリプルスリーも達成している。
 
▼田淵幸一(1968年ドラフト1位)
 法政大では、それまで長嶋茂雄(立教大。のち巨人)が持っていた通算8本塁打の六大学リーグ記録を大きく超える22本塁打を量産。68年ドラフトを前に、相思相愛の巨人が背番号2を確約するほどだったが、クジ引きで指名順が先になった阪神が独占交渉権を獲得した。

 強肩強打を武器にルーキーイヤーからレギュラーに定着し、最終的に22本塁打を放って新人王を受賞。盗塁阻止率も5割を超えた。その後は毎年のように故障に見舞われながらも、75年にはそれまで13年連続でタイトルを独占していた王貞治(巨人)を抑えて本塁打王を獲得。79年に西武へ放出されるまでは、“3代目ミスター・タイガース”の呼び声も高かった。
 

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