高校野球

【センバツ】 達、小園だけじゃない! ドラフト戦線を沸かす、アマ野球ライターが「衝撃を受けた」投手5人とは

西尾典文

2021.04.01

達(左)は驚きの成長度でドラフト屈指の好投手に。小園(右上)も持ち前の資質を発揮し、相模のエース・石田(右下)は出色の結果を残した。写真:塚本凛平(THE DIGEST写真部)

 東海大相模(神奈川)の10年ぶり3度目となる優勝で幕を閉じた選抜高校野球。例年以上に好投手が多いという前評判通り、ロースコアの接戦が多く、決勝戦もそれを象徴するように3対2、サヨナラという劇的な展開だった。そんな本大会で印象に残った選手を投手、野手それぞれ5人ずつランキング形式で発表していこう。今回は投手編だ。

【細身だがインパクトは絶大! 将来性は世代トップ級】
●5位:花田侑樹(広島新庄3年)

 今大会で最も新鮮な驚きを感じさせてくれた投手が花田だ。身体つきはまだ細いものの、マウンドでの立ち姿と欠点らしい欠点のないフォームは強く印象に残った。特にテイクバックできれいにヒジが立ち、高い位置からスムースに投げられる腕の振りは抜群。今大会の最速は144キロだったが、筋肉量が増えればどんどん速くなりそうな雰囲気を感じた。

 絶対的なスピードや球威がないため、現時点ではプロ志望だとしても4位以下の可能性が高いが、将来は世代を代表する投手になっていても不思議はない。
 
【制球力を取り戻して優勝投手に! 線の細さがドラフトでどう評価されるか】
●4位:石田隼都(東海大相模3年)

 5試合、29.1回を投げて無失点、2完封、45奪三振、2四球と抜群の安定感でチームを優勝に導いた。リリーフで登板した1回戦は最速146キロを記録しながらも、リリースのばらつきが目立ったが、大会が進むにつれて徐々に持ち味の制球力を取り戻した。長いリーチで球持ちも長く、ストレートと変わらない腕の振りと軌道からスライダー、チェンジアップを操る投球は高校生離れしたものがあり、優勝投手に相応しい活躍だった。

 183㎝、73㎏と身体はまだできあがっておらず、ドラフト上位候補という感じはしなかったが、貴重なサウスポーだけにプロ志望となれば3位から5位での指名があってもおかしくはないだろう。

【故障は気がかりも、球速表示以上に感じた速球は大会ナンバーワン!】
●3位:畔柳亨丞(中京大中京3年)

 2回戦で今大会に登板した全投手最速の149キロをマーク。しかしそのスピードだけでなく、ストレートはトータルで見ても大会ナンバーワンの迫力だった。上半身も下半身もたくましく、跳ねるような躍動感あふれるフォームが大きな持ち味。腕の振りの強さに加えてリリースでの指のかかりも良く、140キロ前後のボールでも見た目には145キロ以上の勢いを感じた。

 緻密さはないものの、変化球のコントロールもそれなりに安定しており、スライダーに加えてチェンジアップの質が向上していたこともプラス材料だ。ただ、最後に右ヒジの不調を訴えて降板したのは心配だが、夏も万全の状態で投げることができれば、2位以内の上位指名候補に入ってくることは間違いない。
 
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トップ2はいずれもドラフト1位候補になり得る