球界屈指の名将が放った言葉が物議を醸している。
事の発端となったのは、現地時間5月17日に開催されたミネソタ・ツインズ対シカゴ・ホワイトソックスでのワンシーンだ。
ホワイトソックスが11点をリードした9回表2死だった。打席に立ったヤーミン・メルセデスが、内野手登録ながらマウンドに上がっていたツインズのウィリアンズ・アストゥディーヨが3ボールから投じた47マイル(約76キロ)の山なりボールをフルスイング。高々と舞い上がった打球は、バックスクリーン横に着弾する本塁打となった。
見事なホームランだったが、「大量得点差が付いた試合の終盤で3ボールから投じられた球は打つべきではない。一球待つべきだ」という"不文律"に触れたため、メルセデスの振る舞いは問題視されている。
怒り心頭なのは、ツインズベンチもさることながら、ホワイトソックスの指揮官トニー・ラルーサも同様だった。試合後の会見で「彼はサインを見落としたんだ。あれは大きなミスだし、腹が立った」とコメントした。
「あそこはカウント3-0からスイングする場面じゃない。相手ベンチも私が怒っていたのは分かっていたはずだよ。これはスポーツマンシップに関する話で、相手とゲームをリスペクトすべきだった。我々は報復に対峙することになる」
【動画】両軍ベンチが激怒!? 超ユルユルボールを打ち込んだ不文律破りホームランはこちら
案の定というべきか、翌日の試合ではツインズのタイラー・ダフィーがメルセデスの背後にボールを投げ込み、報復とみられる投球を敢行。これにもラルーサは、「報復かどうかは分からないが、頭を狙ったわけではないし、私はツインズに問題があるとは思わない」と持論を展開したのだ。
自軍の選手を戒める一連の発言で、過去3度の世界一を経験している百戦錬磨の名将ラルーサには、辛辣な意見も寄せられている。かつてニューヨーク・ヤンキースやクリーブランド・インディアンスでプレーし、通算251勝を挙げてきた剛腕C.C.サバシアは、自身のポッドキャスト番組『R2C2』で、こき下ろした。
「ラルーサは試合に全く関与していない。彼みたいな考えの人間がアメリカン・リーグで最高のチームを率いるべきじゃないよ。それにあの時、まだ試合は終わってなかった。そこでクソみたいに緩いボールが来たら俺だって打つよ」
さらに「チームで最強の打者の一人が、相手から背後めがけておかしなボールを投げられたんだぜ? それを『問題ない』なんてどうかしてる」と続けたサバシアは、名将に向けたメッセージを送った。
「これは馬鹿げてるし、本当に狂ってると思う。彼(ラルーサ)には申し訳ないけど、今回は酷すぎるね。繰り返すけど、彼みたいな人はチームをマネージメントするべきじゃない。成長著しい選手をサポートする気がないクソみたいな監督がホワイトソックスを率いる利点ってなんだよ」
そもそも"不文律"というものは、昨今のメジャーリーグにおいて、その是非がたびたび問われてきた問題だ。ましてや今回のように野手がマウンドに立っていた場合においては、致し方ないという見方もできる。
そのなかで生まれたメルセデスのホームランは、善なのか、悪なのか――。これからも議論は続いていきそうだ。
構成●THE DIGEST編集部
事の発端となったのは、現地時間5月17日に開催されたミネソタ・ツインズ対シカゴ・ホワイトソックスでのワンシーンだ。
ホワイトソックスが11点をリードした9回表2死だった。打席に立ったヤーミン・メルセデスが、内野手登録ながらマウンドに上がっていたツインズのウィリアンズ・アストゥディーヨが3ボールから投じた47マイル(約76キロ)の山なりボールをフルスイング。高々と舞い上がった打球は、バックスクリーン横に着弾する本塁打となった。
見事なホームランだったが、「大量得点差が付いた試合の終盤で3ボールから投じられた球は打つべきではない。一球待つべきだ」という"不文律"に触れたため、メルセデスの振る舞いは問題視されている。
怒り心頭なのは、ツインズベンチもさることながら、ホワイトソックスの指揮官トニー・ラルーサも同様だった。試合後の会見で「彼はサインを見落としたんだ。あれは大きなミスだし、腹が立った」とコメントした。
「あそこはカウント3-0からスイングする場面じゃない。相手ベンチも私が怒っていたのは分かっていたはずだよ。これはスポーツマンシップに関する話で、相手とゲームをリスペクトすべきだった。我々は報復に対峙することになる」
【動画】両軍ベンチが激怒!? 超ユルユルボールを打ち込んだ不文律破りホームランはこちら
案の定というべきか、翌日の試合ではツインズのタイラー・ダフィーがメルセデスの背後にボールを投げ込み、報復とみられる投球を敢行。これにもラルーサは、「報復かどうかは分からないが、頭を狙ったわけではないし、私はツインズに問題があるとは思わない」と持論を展開したのだ。
自軍の選手を戒める一連の発言で、過去3度の世界一を経験している百戦錬磨の名将ラルーサには、辛辣な意見も寄せられている。かつてニューヨーク・ヤンキースやクリーブランド・インディアンスでプレーし、通算251勝を挙げてきた剛腕C.C.サバシアは、自身のポッドキャスト番組『R2C2』で、こき下ろした。
「ラルーサは試合に全く関与していない。彼みたいな考えの人間がアメリカン・リーグで最高のチームを率いるべきじゃないよ。それにあの時、まだ試合は終わってなかった。そこでクソみたいに緩いボールが来たら俺だって打つよ」
さらに「チームで最強の打者の一人が、相手から背後めがけておかしなボールを投げられたんだぜ? それを『問題ない』なんてどうかしてる」と続けたサバシアは、名将に向けたメッセージを送った。
「これは馬鹿げてるし、本当に狂ってると思う。彼(ラルーサ)には申し訳ないけど、今回は酷すぎるね。繰り返すけど、彼みたいな人はチームをマネージメントするべきじゃない。成長著しい選手をサポートする気がないクソみたいな監督がホワイトソックスを率いる利点ってなんだよ」
そもそも"不文律"というものは、昨今のメジャーリーグにおいて、その是非がたびたび問われてきた問題だ。ましてや今回のように野手がマウンドに立っていた場合においては、致し方ないという見方もできる。
そのなかで生まれたメルセデスのホームランは、善なのか、悪なのか――。これからも議論は続いていきそうだ。
構成●THE DIGEST編集部