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世紀の珍プレーは世紀のボーンヘッド?“魔術師”バイエズのトリックプレーが話題沸騰<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2021.05.28

ノールックタッチをはじめ数々の“魔術”で知られるバイエズが新たな伝説を残した。(C)Getty Images

ノールックタッチをはじめ数々の“魔術”で知られるバイエズが新たな伝説を残した。(C)Getty Images

 5月27日(現地)のパイレーツ対カブスで世紀の珍プレーが起きた。

 主役となったのは、攻守に“エル・マーゴ”(魔術師)の異名を取るハビア・バイエズ(カブス)。カブスが1対0とリードした4回、2死二塁の場面で打席に立ったバイエズの当たりは平凡なサードゴロ。三塁手が捕って一塁に送球してスリーアウトチェンジ……となるはずが、送球が少し逸れた。するとバイエズは一塁の手前で立ち止まり、なぜか身をひるがえしてホーム方向へゆっくり引き返した。

 この動きにつられた一塁手のウィル・クレイグがバイエズを追って挟殺プレーのような形に。そうこうしている間に、二塁走者が三塁を回って一気にホームに突っ込む。あわててクレイグが捕手に送球するも間に合わずセーフ。これを見たバイエズは、今度は全力疾走で一塁へ駆け出した。捕手が送球しようとするも一塁は無人。あわててベースカバーに入ろうとして二塁手へ送球が逸れて外野へ向ける間にバイエズは二塁を陥れた。

 この世にも珍しい顛末を、MLB公式は「塁上で起きたマジック」と形容、ESPNは「おそらく二度と見ることのできないプレー」と報じた。カブスのデビッド・ロス監督は試合後、「まさに奇術だ」とした上で、「まるで子供のようにプレーする。だから、誰もが彼を好きになるんだろう」と称賛した。

 
 だが、よく考えてみれば、クレイグがわざわざバイエズを追わずに一塁を踏んでいればその時点でスリーアウトとなり、得点も入らなかった。バイエズの頭脳プレーというよりは、クレイグのボーンヘッドと捉えるべきかもしれない。事実、SNSでは「史上最も恥ずかしいプレー」「クレイグは終身刑に値する」といった厳しい声も出ている。

 それでも、相手を幻惑してミスを引き出したあたりは、やはり“魔術師”の成せる業なのかもしれない。ツイッターではこんな意見もあった。「バイエズが“エル・マーゴ”と呼ばれる理由も、パイレーツがMLB最悪のチームである理由もよく分かった」。

構成●SLUGGER編集部
 
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