ファンの期待の高さが表れたシーンだった。
現地5月31日のジャイアンツ戦で、大谷翔平(エンジェルス)が敵地サンフランシスコのファンから拍手を受けた。1対6の9回2死から代打で登場。ジャイアンツの右腕トロピアーノがボール球を連発すると、ファンからブーイングの声が上がった。大谷が打つところを見たい―その思いはもはや場所を問わず、球場を訪れたファンの総意と言っていいかもしれない。
コロナ禍のため、昨年は全試合が無観客で行なわれた。しかし今季は、観客を制限しながらではあるが、開幕からファンが見守る中でプレーしている。大谷にとっても、観客の声援はパワーの源となっている。ファンに対する思いを、今季の言葉から振り返ってみた。
「一番のドーピングじゃないかなと思ってるので。声援があるかないかは打席でもマウンドでも、どの程度集中できるかも変わってきますし、球場全体の雰囲気がボールやバットにも乗るのかなっていうのは、データでは分からないですけど、あるんじゃないかなと思ってます」
パフォーマンスを高めるドーピングに例え、ファンの後押しの有り難みを表現した。絶好調だった今春のオープン戦から、ファンの存在が力になっていた。
「去年の公式戦より試合をやってるなっていう感じがしてたので、やっぱり楽しいですね。いっぱい入ってくれて。その中でやってる方が野球やってるな、公式戦やってるなっていう、そういう雰囲気があって楽しいと思います」
5月17日のインディアンス戦後、本拠地エンジェル・スタジアムで今季初のヒーローインタビューに呼ばれた。勝利の喜びに浸り、興奮冷めやらぬ球場のファンに向けて言った。
「去年とやっぱり全然違いますし、入れば入るほど選手は頑張れると思うので、もっともっとたくさんの人の前でプレーしたいなと思ってます」
コメントを振り返ると、大谷にとってファンの存在がどれだけ大事かが伺える。アナハイムでは、6月17日のタイガース戦から100%の観客動員が可能となる。ファンの大声援でアドレナリンが出る大谷だけに、さらに集中力が高まって結果に表れるかもしれない。満員のファンが球場を埋め尽くす中でのパフォーマンスにも注目したい。
文●斎藤庸裕
【著者プロフィール】
さいとう・のぶひろ。1983年、埼玉県生まれ。日刊スポーツ新聞社でプロ野球担当記者を務めた後サンディエゴ州立大学でスポーツビジネスを学ぶ。2018年から大谷翔平の担当記者を務める。日刊スポーツでコラム「ノブ斎藤のfrom U.S.A」を配信中。
【PHOTO】世界が驚嘆する偉才・大谷翔平のキャリアを厳選ショットで一挙公開!花巻東、日ハム、エンジェルスでの活躍を振り返る
現地5月31日のジャイアンツ戦で、大谷翔平(エンジェルス)が敵地サンフランシスコのファンから拍手を受けた。1対6の9回2死から代打で登場。ジャイアンツの右腕トロピアーノがボール球を連発すると、ファンからブーイングの声が上がった。大谷が打つところを見たい―その思いはもはや場所を問わず、球場を訪れたファンの総意と言っていいかもしれない。
コロナ禍のため、昨年は全試合が無観客で行なわれた。しかし今季は、観客を制限しながらではあるが、開幕からファンが見守る中でプレーしている。大谷にとっても、観客の声援はパワーの源となっている。ファンに対する思いを、今季の言葉から振り返ってみた。
「一番のドーピングじゃないかなと思ってるので。声援があるかないかは打席でもマウンドでも、どの程度集中できるかも変わってきますし、球場全体の雰囲気がボールやバットにも乗るのかなっていうのは、データでは分からないですけど、あるんじゃないかなと思ってます」
パフォーマンスを高めるドーピングに例え、ファンの後押しの有り難みを表現した。絶好調だった今春のオープン戦から、ファンの存在が力になっていた。
「去年の公式戦より試合をやってるなっていう感じがしてたので、やっぱり楽しいですね。いっぱい入ってくれて。その中でやってる方が野球やってるな、公式戦やってるなっていう、そういう雰囲気があって楽しいと思います」
5月17日のインディアンス戦後、本拠地エンジェル・スタジアムで今季初のヒーローインタビューに呼ばれた。勝利の喜びに浸り、興奮冷めやらぬ球場のファンに向けて言った。
「去年とやっぱり全然違いますし、入れば入るほど選手は頑張れると思うので、もっともっとたくさんの人の前でプレーしたいなと思ってます」
コメントを振り返ると、大谷にとってファンの存在がどれだけ大事かが伺える。アナハイムでは、6月17日のタイガース戦から100%の観客動員が可能となる。ファンの大声援でアドレナリンが出る大谷だけに、さらに集中力が高まって結果に表れるかもしれない。満員のファンが球場を埋め尽くす中でのパフォーマンスにも注目したい。
文●斎藤庸裕
【著者プロフィール】
さいとう・のぶひろ。1983年、埼玉県生まれ。日刊スポーツ新聞社でプロ野球担当記者を務めた後サンディエゴ州立大学でスポーツビジネスを学ぶ。2018年から大谷翔平の担当記者を務める。日刊スポーツでコラム「ノブ斎藤のfrom U.S.A」を配信中。
【PHOTO】世界が驚嘆する偉才・大谷翔平のキャリアを厳選ショットで一挙公開!花巻東、日ハム、エンジェルスでの活躍を振り返る