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大谷翔平、2試合連続3四球は球団28年ぶり&4人目。トラウト離脱後は17四球と相手の警戒度が急上昇

THE DIGEST編集部

2021.06.08

トラウトも成し遂げていない記録に並んだ大谷。しかし同時に、もどかしさもあるのは大打者の宿命か。(C)Getty Images

 ロサンゼルス・エンジェルスの大谷翔平は現地時間6月7日、本拠地で行なわれたカンザスシティ・ロイヤルズ戦に「2番・DH」で先発出場。ノーヒットに終わったものの2試合連続で3四球を稼ぎ、今季9盗塁目をマークするなど、8対3で快勝したチームの打線に活力を与えた。

 初回にこの日最初のフォアボールを選んだ大谷は、直後にアンソニー・レンドーンの適時打で先制のホームイン。続く2回も四球で出塁すると、すかさず今季9個目の盗塁を決めた。そして、7回の第4打席は一つもストライクがないストレートのフォアボールで3個目の四球に。大谷のバッティングが見たい本拠地ファンからはブーイングも巻き起こった。

 そして、連日の"猛歩賞"はエンジェルス球団史に残る快記録でもあった。2試合連続での3四球以上を稼いだのは、何と1993年のチリ・デービス以来球団28年ぶり&球団史上4人目の快挙だったという。チームの大黒柱であるマイク・トラウトも成し遂げていない記録に名を連ねたのは、さすが大谷と言えるだろう。
 
 実際、指揮官のジョー・マッドン監督も試合後、「過去の偉大な打者たちがたくさん歩かされるのを見てきた」と語るように、四球の多さはそれだけ大谷の打撃を相手バッテリーが警戒している証なのは間違いない。しかし、ここに来ての四球増加は大谷だけの要因ではないだろう。

 今季開幕39試合で四球はわずか6個だった。しかし、トラウトが故障離脱すると、19試合で17四球とペースが一気に増加。明らかに大谷を避ける配球をされており、本塁打ペースも若干ではあるが落ちている。トラウトの代わりに大谷の後を打っている3番のアンソニー・レンドーンは、2017年から4年連続OPS.900以上の強打者なのだが、今季は開幕からやや低調な出来が続いており、やや復調した今でもOPS.654とまだ本調子とはほど遠い。

 現在リーグ2位タイの16本塁打を放っている大谷には、当然タイトル獲得への期待値も高くなる。しかしトラウトが復帰するまでは、この日のようにそもそも打てる機会が減少する可能性も十分。限られた打席の中で結果を残しつつ、周囲のバックアップもまた大事になってくるだろう。

構成●THE DIGEST編集部

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