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世界で結果を出すために自分を変えた――渡米3年目でオールスター選出をつかんだ菊池雄星の「成長物語」<SLUGGER>

氏原英明

2021.07.12

紆余曲折を経験しながら、それを糧にして成長を遂げた雄星。メジャーの球宴選出という大きな勲章を手にした。(C)Getty Images

紆余曲折を経験しながら、それを糧にして成長を遂げた雄星。メジャーの球宴選出という大きな勲章を手にした。(C)Getty Images

 メジャーリーグに移籍して3年目の菊池雄星(マリナーズ)が初のオールスターに選出された。

 最初の2年は苦しいピッチングが続いていただけに、今季の好投とオールスター選出は、メジャーで生きていくための大きな自信になったはずだ。

 菊池ほどメジャーで活躍することを意識して一直線に成長を続けた選手はいない。菊池は、高校1年の秋に作成した目標設定用紙に「高卒でメジャー入団」と記した。これが彼のメジャー挑戦物語の始まりだった。

 メジャーで活躍するためには何が必要なのか。

 トレーニングを学び、栄養学を勉強し、投球フォームを研究し、英語力を身につけた。それらは、もともと備わっていた勤勉さと人を大切にする人間性に加えて、彼が習得した新たな能力だった。目先のことだけに囚われず、遠回りしながらも「メジャーリーグで活躍すること」を一心に見つめてきたからこそ、手に入れることができたものだ。
 
 日本時代は2ケタ勝利を達成するまでに7年もかかり、「期待外れ」の烙印を押された時期もあった。それでも彼は諦めなかった。研究熱心で、一度やると決めたら必ず貫徹する。時間のかかり方はそれぞれの個性とも言えるが、好奇心旺盛でたくさんのものを吸収し、整理する中で「投手・菊池雄星」が出来上がっていった。

 彼の恩師である花巻東高の佐々木洋監督は、こんなことを言っていたものだ。

「遠回りしたことがプロに行ってからいい方向に行ったのかなと思います。トレーナーとか、メンタルとか、いろんなことに投資して、必要なものは残して、不必要なものは削っていく。彼は賢いので、彫刻のように要らないところをどんどん削っていって、今の雄星ができてきたのではないかなと思います」

 メジャーに移ってからも苦労の日々は続いた。

 1年目は32試合に投げて6勝11敗。防御率5.46。被本塁打36本は日本人投手では歴代ワーストを記録するなど、苦しみ抜いたシーズンだった。
 
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