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「俺たちは機械じゃない」メッツで衝撃の“内乱”勃発!ブーイングに耐えかねた選手たちが“サムズダウン”で抗議

THE DIGEST編集部

2021.08.30

移籍わずか1か月でファンと最悪の関係性になったバイエズ。復調して"和解"できるだろうか。(C)Getty Images

 選手とファンの関係は必ずしも仲良くある必要はない。しかし、ギスギスものになると、その空気感は最悪になる。今のニューヨーク・メッツがそうだ。

 昨オフ、メッツは総資産1兆円を超える大富豪のスティーブ・コーエンが新オーナーに代わり、長年GMを務めてきたサンディ・アルダーソンを球団社長に招聘して体制を一新。大型トレードで球界屈指の遊撃手フランシスコ・リンドーアや大型FA補強を乱発して今季の優勝候補に目されるまでになった。

 期待された新戦力は不振に陥った一方で、ジェイコブ・デグロムが歴史的快投を演じ、6月を終えて41勝35敗で地区首位、プレーオフ進出確率75.3%とまずまずのスタートを切っていた。そして7月末のトレード・デッドラインでは、シカゴ・カブスの名遊撃手ハビア・バイエズらを補強するなど、悲願の世界一へ向けて順調かに思えたが、現在のプレーオフ可能性は2.6%と急下降している。

 デグロムの故障を機に白星から遠ざかり、8月は8勝19敗と大きく負け越し。その間に同地区ライバルが浮上し、現在は首位から7.5ゲーム差の地区3位、ワイルドカード争いからも7.0ゲーム差と風前の灯火と言える状態に。本拠地シティ・フィールドでは、ニューヨーカーからの手厳しいブーイングの声が日に日に増えていった。そんな中で、選手たちは"反攻"を見せていく。

【動画】ファンもブーイングしたくなる(?)、"反逆者"バイエズのひどすぎる三振シーンがこちら
 8月後半に入ると、選手たちはヒットを打った際や勝利を挙げた時、親指を下に向けるいわゆる"サムズダウン"、「ブー!」とブーイングするようなアクションを行なうようになったのだ。そして現地時間8月29日、新加入のバイエズがホームランの後に本塁へ帰って来ると、ここでもサムズダウン。このシーンは大きくフォーカスされ、試合後の会見真意が明かされた"真意"が波紋を呼んでいる。

 曰く、「俺たちはファンからブーイングを受けてきた。俺たち選手は機械じゃない。確かに俺たちは苦戦している。俺が三振してブーイングされると、本当に嫌な気持ちになるんだ。俺たちがうまくいかないと、ブーイングをされる。だから、うまくできた時はファンにブーイングをしようと思ったんだ」

 さらに、バイエズはファンの"態度"にこう言及した。「ファンの存在は本当に大きなものだ。しかし俺から言わせれば、彼らはもっと態度を良くする必要がある。俺はファンのために戦っている。俺はファンが好きだ。でも、彼らがブーイングをするようなことを続ければ、チームにプレッシャーだけを与え続けるような存在でしかない。それは、俺たちが望むものじゃない。ブーイングされる選手の気持ちを考えてほしい」

 バイエズの発言は賛否両論入り交じり、おそらくこれに対する"正解"はない。しかし、球団社長のアルダーソンは「到底受け入れるられるものではなく、許されるべきものではない」と断罪。「チームのパフォーマンスにファンはいらだっており、球場に来たファンは落胆を表現する権利がある」としてファンを擁護。選手たちと改めてミーティングを行ない、態度を改めるようにするとコメントを出している。

 果たして、このような最悪の空気感でメッツは浮上できるのか。同じフランチャイズの"憎き"ニューヨーク・ヤンキースが8月に13連勝を記録した姿を見ると、より一層に苛立ちが加速してしまったのかもしれない。

構成●THE DIGEST編集部
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【動画】ファンもブーイングしたくなる(?)、“反逆者”バイエズのひどすぎる三振シーンがこちら