完敗という表現しか出て来ないほど、完全にねじ伏せられた。ロサンゼルス・エンジェルスの大谷翔平は現地時間9月1日、本拠地で行なわれたニューヨーク・ヤンキース戦に「2番・DH」で先発出場するも、4打数無安打3三振に終わり、チームも1対4で敗れている。
この日の主役は、ヤンキース先発のゲリット・コールだ。平均98.1マイル(約158キロ)の4シーム、切れ味抜群のスライダーを駆使し、前日の会見で「一番警戒している」と語った大谷から3打席連続三振。7回で計15三振を奪い、空振り数32は自己最多をマークするなど、地元オレンジカウンティで圧巻の投球を披露した。
悲願のサイ・ヤング賞に向けて快投を続けている右腕だが、彼が常日頃から「ファン」と公言しているのが、大谷翔平その人だ。今年4月4日、"リアル二刀流"で出場した大谷の投打を見たコールは、「彼と同じくらいのボールを投げることはできるが、到底打つことなどできない。彼のように打てる選手も、オオタニのように投げることはできないよね。僕はただ、応援席で彼のプレーを見ているだけだよ」とコメントし、自らがファンだと明かしていた。
【動画】大谷も手も足も出せず…豪腕コールの7回15奪三振ハイライト! そんな球界を代表する本格派右腕に対し、大谷がブレイクする前の2019年にどんな印象を抱いているのかを訊ねたことがある。あの時、コールから出てきた言葉は、今にしてみればある種の"予言"だったようにすら感じられてくる。
コールは開口一番、「魅力的な男だね」と笑顔を見せ、「オオタニの身のこなし方が好きなんだ」と語り始めた。そしてこう言い放ったのだ。「日本人では、俺が見た中で最高の打者だよ。真面目な話、イチローを超える可能性だってあると思う」。
日本が誇る最高のベースボール・プレーヤーであるイチロー。この時の大谷はメジャー2年目で、まだまだその差は大きなように思えた。しかしコールの目には、大谷が殿堂入り間違いなしの天才に匹敵する才能があると映っていたようだ。
そしてイチロー自身、同じ19年3月の引退会見にて「投手で20勝してサイ・ヤング賞。その翌年には50本打って本塁打王、MVPを獲ってほしいね。それが想像ではなくてできる選手だから」と大谷への高い期待を口にしていた。こちらも"予言"が的中するかのように、今季の大谷は50本塁打ペースでタイトルを獲得する勢いで、MVPも当確と言える状況になっている。
大谷とイチロー。打者としてのタイプは完全に正反対に近い2人。しかし、打者の総合的な打力を評価するOPSやwOBA、wRCなどで今季の大谷は全盛期のイチローを凌駕しているのも確か。コールの言うように「イチローを超えている」面もある。
「あれだけ素晴らしい才能に恵まれているのだから、周りの期待とか関係なしに思い切りやってほしいね」
コールが2年前、最後に口にしたこの言葉はおそらく、"将来のライバル"へのエールだったのだろう。
構成●THE DIGEST編集部
【PHOTO】世界が驚嘆する偉才・大谷翔平のキャリアを厳選ショットで一挙公開!花巻東、日ハム、エンジェルスでの活躍を振り返る
この日の主役は、ヤンキース先発のゲリット・コールだ。平均98.1マイル(約158キロ)の4シーム、切れ味抜群のスライダーを駆使し、前日の会見で「一番警戒している」と語った大谷から3打席連続三振。7回で計15三振を奪い、空振り数32は自己最多をマークするなど、地元オレンジカウンティで圧巻の投球を披露した。
悲願のサイ・ヤング賞に向けて快投を続けている右腕だが、彼が常日頃から「ファン」と公言しているのが、大谷翔平その人だ。今年4月4日、"リアル二刀流"で出場した大谷の投打を見たコールは、「彼と同じくらいのボールを投げることはできるが、到底打つことなどできない。彼のように打てる選手も、オオタニのように投げることはできないよね。僕はただ、応援席で彼のプレーを見ているだけだよ」とコメントし、自らがファンだと明かしていた。
【動画】大谷も手も足も出せず…豪腕コールの7回15奪三振ハイライト! そんな球界を代表する本格派右腕に対し、大谷がブレイクする前の2019年にどんな印象を抱いているのかを訊ねたことがある。あの時、コールから出てきた言葉は、今にしてみればある種の"予言"だったようにすら感じられてくる。
コールは開口一番、「魅力的な男だね」と笑顔を見せ、「オオタニの身のこなし方が好きなんだ」と語り始めた。そしてこう言い放ったのだ。「日本人では、俺が見た中で最高の打者だよ。真面目な話、イチローを超える可能性だってあると思う」。
日本が誇る最高のベースボール・プレーヤーであるイチロー。この時の大谷はメジャー2年目で、まだまだその差は大きなように思えた。しかしコールの目には、大谷が殿堂入り間違いなしの天才に匹敵する才能があると映っていたようだ。
そしてイチロー自身、同じ19年3月の引退会見にて「投手で20勝してサイ・ヤング賞。その翌年には50本打って本塁打王、MVPを獲ってほしいね。それが想像ではなくてできる選手だから」と大谷への高い期待を口にしていた。こちらも"予言"が的中するかのように、今季の大谷は50本塁打ペースでタイトルを獲得する勢いで、MVPも当確と言える状況になっている。
大谷とイチロー。打者としてのタイプは完全に正反対に近い2人。しかし、打者の総合的な打力を評価するOPSやwOBA、wRCなどで今季の大谷は全盛期のイチローを凌駕しているのも確か。コールの言うように「イチローを超えている」面もある。
「あれだけ素晴らしい才能に恵まれているのだから、周りの期待とか関係なしに思い切りやってほしいね」
コールが2年前、最後に口にしたこの言葉はおそらく、"将来のライバル"へのエールだったのだろう。
構成●THE DIGEST編集部
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