「ファーム」という言葉が「農場」を意味するように、若手の成長を見守ることは二軍観戦の大きな魅力だ。例えばYさんは当初、地元が同じということもあり、渡邉諒選手を応援していた。「ファームでもエラーが多かったのに、今では一軍の正二塁手になり、"直球破壊王子"なんて愛称もついて。僕は男ですが、ずっと成長を見てきた母親気分です」。現在は「シートノックを見て送球の正確さに惚れた」との理由で、捕手の梅林優貴選手に注目しているという。
Aさんは花咲徳栄高時代から応援していた野村佑希選手が18年ドラフト2位で日本ハムに入団して大喜びした。「まさか日ハムに入ると思わなくて、『応援に行ける』ってすごくうれしかった」。野村選手は入団後に投手から野手に転向したこともあり、鎌スタではいつも試合後に居残り特守をしていたのだが、Aさんはその様子を球場の外周からよく見守っていた。元々持っていたバッティングのセンスと特守の努力も実り、20年、21年と開幕スタメンを勝ち取り、次代の4番と呼ばれるまでになった野村選手の成長を人一倍喜んでいる。
私も含め、後述するSさんも含めたこの4人に共通しているのは、望遠レンズ付きの一眼レフカメラ持参で球場に来ていることだ。ファームならではの近さを活かし、至近距離でベストショットを収めようと必死にシャッターを押す。一軍の球場では、かなり値が張る席を買って、さらに超望遠レンズを持っていないと近い距離での撮影は難しい。それがファーム球場ならビギナー向けの装備でもベストショットを収めることが可能になる。「レンズ越しの野球」という楽しさを知ったのも、ファームのおかげだ。
選手がSNSで「自分の写真が欲しい」と発信してくれる場合もあり、そういう時は遠慮なく送っている。応援している選手に、ベストショットを収めたアルバムをプレゼントとしたこともある。
Sさんは「写真にはその一枚一枚に撮った瞬間の想いが詰まっていて、見返すとその瞬間を思い出す。大切な思い出になっていて、消せないものばかり」と語ってくれた。
一軍と違ってファームは平日でもデーゲームが基本。しかも、球場までのアクセスも決して便利とは言えないところが多い。だが、"沼"にハマった者たちは、そんな中でも工夫を凝らしながら試合に足を運ぶ。まるで、障壁を乗り越えることが愛の証明だとでもいうように。
Aさんは花咲徳栄高時代から応援していた野村佑希選手が18年ドラフト2位で日本ハムに入団して大喜びした。「まさか日ハムに入ると思わなくて、『応援に行ける』ってすごくうれしかった」。野村選手は入団後に投手から野手に転向したこともあり、鎌スタではいつも試合後に居残り特守をしていたのだが、Aさんはその様子を球場の外周からよく見守っていた。元々持っていたバッティングのセンスと特守の努力も実り、20年、21年と開幕スタメンを勝ち取り、次代の4番と呼ばれるまでになった野村選手の成長を人一倍喜んでいる。
私も含め、後述するSさんも含めたこの4人に共通しているのは、望遠レンズ付きの一眼レフカメラ持参で球場に来ていることだ。ファームならではの近さを活かし、至近距離でベストショットを収めようと必死にシャッターを押す。一軍の球場では、かなり値が張る席を買って、さらに超望遠レンズを持っていないと近い距離での撮影は難しい。それがファーム球場ならビギナー向けの装備でもベストショットを収めることが可能になる。「レンズ越しの野球」という楽しさを知ったのも、ファームのおかげだ。
選手がSNSで「自分の写真が欲しい」と発信してくれる場合もあり、そういう時は遠慮なく送っている。応援している選手に、ベストショットを収めたアルバムをプレゼントとしたこともある。
Sさんは「写真にはその一枚一枚に撮った瞬間の想いが詰まっていて、見返すとその瞬間を思い出す。大切な思い出になっていて、消せないものばかり」と語ってくれた。
一軍と違ってファームは平日でもデーゲームが基本。しかも、球場までのアクセスも決して便利とは言えないところが多い。だが、"沼"にハマった者たちは、そんな中でも工夫を凝らしながら試合に足を運ぶ。まるで、障壁を乗り越えることが愛の証明だとでもいうように。