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侍ジャパン

問われる稲葉監督の手腕。求めたい「したたかな」決断と「しなやかな」柔軟性【プレミア12】

氏原英明

2019.11.04

エキシビションで不調だった坂本。果たして復調なるか。(C)Getty Images

エキシビションで不調だった坂本。果たして復調なるか。(C)Getty Images

 第2回「WBSC世界野球プレミア12(以下、プレミア12)」が開幕した。
  
 侍ジャパンのファーストラウンドは、5日のベネズエラ戦からスタート。他国がベストメンバーを揃えてきているわけではないが、それでも前回は優勝を逃しているだけに、対戦国を甘く見ることはできない。

 大会に入るに至って、侍ジャパンは予想外のことが3つ起きている。
 
 一つは、代表の常連で、今大会チームの中心になるはずだった秋山翔吾(西武)が強化試合のカナダ戦で骨折。代表離脱を余儀なくされた。二つめが先発候補と目された岸孝之(楽天)が発熱で出遅れ、三つめは中軸を担う坂本勇人(巨人)が日本シリーズの不調をそのまま引きずっていることだ。

 この三つをいかにクリアできるかが当面のテーマになるが、大会に入ってから起きたことではない分、しっかり対処したい。

 秋山の代わりには丸佳浩(巨人)が追加招集。丸は意外にも代表経験が少なく、また短期決戦に弱いイメージはするものの、持っているポテンシャルでは秋山を凌駕するところもある。選球眼という特徴も生かせれば、十分に穴は埋められるはずだ。

 岸の出遅れが痛いのは事実だ。
 第1戦の先発候補と決めて臨んでいただけに、ここからどうローテーションを組み直すか。ここは、岸をスーパーラウンドの重要なカード1戦のみの先発という役回りに専念させるのが得策だろう。まずは、プライオリティ(優先事項)を決めることだ。

 そのプライオリティとは、決勝戦で誰を先発させるかに尽きる。
 ここを決めずして、先発ローテーションを構築していくことはあり得ない。現時点では、今永昇太(DeNA)がベストではないかと考える。そして、2番目に優先する投手、3番目と先発を決めるのがベストだろう。

 投手陣の強みの一つが、山本由伸(オリックス)、山﨑康晃(DeNA)のWクローザーに計算が立っていることだ。だから、例えば、先発の枚数が1日足りないと言うことがあっても、先発経験のあるリリーバー、大竹寛(巨人)をオープナーで起用し、ロングリリーフができる田口麗斗(巨人)を活用しながら戦っていくということもできる。

 当然、大会に入ってから、選手個々の調子に違いも出てくるだろう。実力なら、山口俊(巨人)や高橋礼(ソフトバンク)が上位にあるが、彼らはレギュラーシーズンから日本シリーズまでフルに戦ってきたため疲労が溜まっている。事実、山口は強化試合で炎上してしまった。大野雄大(中日)、山岡泰輔(オリックス)あたりがキーになるかもしれない。
 

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