プロ野球

BsGirlsのパフォーマンスに驚き、石川のコメントに感激。そして極寒の神戸での決着…「日本シリーズ全試合現地観戦記」<SLUGGER>

勝田聡

2021.11.30

日本シリーズ史に残る激闘は、ヤクルトの4勝2敗で決着した。写真:塚本凛平(THE DIGEST写真部)

 歴史的な名勝負となったヤクルトとオリックスの日本シリーズ。その全6試合を現地で観戦した。振り返ってみるとあっという間の1週間だったが、同時に多くの出来事に彩られた濃密な1週間でもあった。

◎京セラドームでの驚き
 若き好投手たちの好投で1勝1敗に終わった京セラドームでの最初の2試合は、サヨナラ負けを含めて驚きの連続だった。大舞台でもサンタナとオスナはモヤとラベロと談笑し、お互いを称え合うかのようなハグをしていた。その輪にジョーンズがいないのは気になったが、ピリピリとした雰囲気はなく、異国の地で戦う外国人選手たちの絆の強さが感じ取れた。

【PHOTO】京セラドームで笑顔はじける! オリックス『BsGirls』を一挙に紹介!

 試合前のパフォーマンスにも驚かされた。チアガールがパフォーマンスを行なうのは珍しくない。だが、オリックスのBsGirlsは自ら歌い出した。周りのヤクルトファンも「え、歌うの?」ときょとんとしながらも耳を澄ましていた。
 
 普段聞くことのない登場曲も新鮮だった。1番・福田周平の『檄!帝国華撃団』は、塩見泰隆の『G1ファンファーレ』に匹敵するインパクトがあった。全体的にヤクルトの選曲とはテイストが違う。

 スコアボードに映し出される情報量も多く、面白い。宮城大弥の「俺をこう呼んでくれ」欄には「みやぎ」とある。そのまんまだ。いや、愛くるしいキャラクターからか「くん」づけで呼ばれることの多い宮城は、実は呼び捨ての方がいいのだろうか。そんなくだらないことまで考えてしまう。この頃はまだ余裕があった。

◎東京ドームで甦る記憶
 東京ドームでの初戦(第3戦)は祝日ということもあり、開門前からグッズ売り場に長蛇の列ができていた。夏場に行った主催試合とは比べものにならないほどの人、人、人。少し肌寒いドーム内の飲食店も列が途切れない。試合終盤には品切れとなる店舗もあった。人数制限の上限がそもそも違うが、それでも明らかに人は多かった。コロナ禍の前、2年前までの「日常」を思い出す。

 7回、サンタナの逆転弾に傘が舞った。「東京ドーム×サンタナ×ライト方向の一発」に、マリナーズの一員として戦った2019年のMLB開幕シリーズの記憶が蘇ってくる。
 
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