プロ野球

【セ・リーグ6球団通信簿】20年ぶりヤクルトはもちろん最高評価。2位阪神、V3逸の巨人は?<SLUGGER>

出野哲也

2021.12.15

20年ぶりの日本一を達成したヤクルトは投手陣の頑張りが目立った。写真:塚本凛平(THE DIGEST写真部)

 ヤクルトの5年ぶりの優勝で幕を閉じた2021年のセ・リーグ。開幕前の戦力予想や実際の戦いぶりを踏まえて、全6球団の今季を通信簿形式で査定していこう。

※A=よくできました、B=まずまずです、C=可もなく不可もなく、D=がんばりましょう、E=ガッカリです

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▼ヤクルト
73勝52敗18分 勝率.584(1位)
評価:よくできました(A)

 6年ぶりのリーグ優勝、そして20年ぶりの日本一。投手陣は11人が先発するなどローテーションを固定できず、規定投球回到達も2ケタ勝利も不在ながら、1129奪三振はリーグ最多。防御率は最下位の4.61から3位の3.48へ大幅に改善された。50ホールドの新記録を樹立した清水昇をはじめ、ブルペンも以前とは見違えるような充実ぶりだった。

 打線も山田哲人、村上宗隆の両スーパースターはもちろん、塩見泰隆の成長などで厚みを増し、Bクラスの3球団相手に24もの貯金を作った。「絶対大丈夫」をスローガンに、前向きな空気を保ち続けた高津臣吾監督も文句なしの最高評価だ。
 
▼阪神
77勝56敗10分 勝率.579(2位)
評価:まずまずです(B)

 序盤から快調に首位を走り、交流戦終了時点で貯金20。新人本塁打記録を更新するペースで打ちまくった佐藤輝明、正遊撃手に定着し盗塁王も獲得した中野拓夢、投手では先発左腕の伊藤将司と新人トリオが大活躍した。ところが佐藤のバットが湿り始めるのと軌を一にするように、チームも下降線を描く。7~9月の3ヶ月は22勝26敗でヤクルトに抜かれ、最終盤での追い上げも届かなかった。

 ヤクルトに13勝8敗と勝ち越しながら、下位球団への取りこぼしが多かったのが痛かった。86失策はリーグ最悪、逆に104併殺は最少だった守備陣の強化も来季の課題になる。

▼巨人
61勝62敗20分 勝率.496(3位)
評価:がんばりましょう(D)

 最大8ゲームあった阪神との差を少しずつ縮め、8月末にはついに首位に立った。ところがここから悪夢のような2ヵ月が待っていた。9月末に5連敗、さらに10月には1引き分けを挟んで10連敗。かろうじてCSには進出したものの勝率5割すら下回り、中5日ローテーションを強行して投手陣を疲弊させた原辰徳監督への批判が噴出した。

 打線では岡本和真がタイトルを獲得するなど、169本塁打は1位でも552得点は4位。新外国人はアクシデントなどもあって軒並み期待外れ、カンフル剤として獲得した中田翔も逆効果で、何もかも上手く行かなかった。
 
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