「90点です」
自己採点を聞かれた、鳴門のサウスポー・富田遼弥は力強くそう言い切った。
無理もない。昨年秋の神宮大会を制した強打の大阪桐蔭打線を8回8安打3失点(自責2)に抑える好投を見せたのだ。それに、である。
コロナウイルスの感染拡大の影響により、鳴門は年明けから対外試合を実施できないでいた。紅白戦を積むことしかできず、そんななかで迎えた優勝候補との対戦だった。
鳴門・森脇稔監督は試合勘の鈍りを感じながらも、プラス面の方が多かったという。
「子どもたちは早く試合がしたいということで、ウズウズしていたというか、待ちに待ったという感じでした。試合ができる喜びを常に持っていました。大阪にきてからも、雰囲気は良かったです」
そのなかでの富田の快投である。
1回は先頭の伊藤櫂人をセンターフライ、2番の谷口勇人をセカンドゴロに切ると、ドラフト候補と騒がれる3番の松尾汐恩を三振に斬って取る最高の滑り出しを見せた。
富田は言う。
「大阪桐蔭の打線はどのバッターもしっかり踏み込んできて、強く振ってくるバッターが揃っていました。だから、キャッチャーと話して、うまくインコースや高めを使いながら、打者の身体を起こしたり、タイミングを外したりすることを心がけました。(初回の松尾に関しては)どんどんインコースを攻めていこうと話していたので、それが狙い通りできたのでとても良かったです」
3回に2死二塁からテキサスヒットを浴び、さらには4番の海老根優大には甘くなったストレートを右中間に弾き返されて2失点を喫したものの、4回以降は要所を締める小気味のいいピッチングだった。
なかでも光ったのはインコースの使い方だ。
鳴門の捕手・土肥憲将が右打者の後ろに構えるほど徹底したインコース攻めだった。ここにストレートとスライダーを出し入れして、大阪桐蔭打線をうまく封じたのだった。
7回表に、2死一二塁から8番の富田が自ら中前適時打を放って1点差に詰め寄った。森脇監督は「うちのペースで試合が進んでいる」と発破を掛けたほどで、試合の趨勢は終盤を迎えた時はほとんどわからないものと言ってよかった。
しかし、次の1点は大阪桐蔭に入る。
1死から5番の丸山一喜に左中間を破る二塁打を許す。6番の田井志門を一塁ゴロに打ち取るも、これを一塁手が弾き、一三塁。続く星子天真にスクイズを決められ1失点を喫した。
鳴門打線は反撃できず、このままゲームセット。1-3という接戦ながら、鳴門はあと一歩及ばなかった。
自己採点を聞かれた、鳴門のサウスポー・富田遼弥は力強くそう言い切った。
無理もない。昨年秋の神宮大会を制した強打の大阪桐蔭打線を8回8安打3失点(自責2)に抑える好投を見せたのだ。それに、である。
コロナウイルスの感染拡大の影響により、鳴門は年明けから対外試合を実施できないでいた。紅白戦を積むことしかできず、そんななかで迎えた優勝候補との対戦だった。
鳴門・森脇稔監督は試合勘の鈍りを感じながらも、プラス面の方が多かったという。
「子どもたちは早く試合がしたいということで、ウズウズしていたというか、待ちに待ったという感じでした。試合ができる喜びを常に持っていました。大阪にきてからも、雰囲気は良かったです」
そのなかでの富田の快投である。
1回は先頭の伊藤櫂人をセンターフライ、2番の谷口勇人をセカンドゴロに切ると、ドラフト候補と騒がれる3番の松尾汐恩を三振に斬って取る最高の滑り出しを見せた。
富田は言う。
「大阪桐蔭の打線はどのバッターもしっかり踏み込んできて、強く振ってくるバッターが揃っていました。だから、キャッチャーと話して、うまくインコースや高めを使いながら、打者の身体を起こしたり、タイミングを外したりすることを心がけました。(初回の松尾に関しては)どんどんインコースを攻めていこうと話していたので、それが狙い通りできたのでとても良かったです」
3回に2死二塁からテキサスヒットを浴び、さらには4番の海老根優大には甘くなったストレートを右中間に弾き返されて2失点を喫したものの、4回以降は要所を締める小気味のいいピッチングだった。
なかでも光ったのはインコースの使い方だ。
鳴門の捕手・土肥憲将が右打者の後ろに構えるほど徹底したインコース攻めだった。ここにストレートとスライダーを出し入れして、大阪桐蔭打線をうまく封じたのだった。
7回表に、2死一二塁から8番の富田が自ら中前適時打を放って1点差に詰め寄った。森脇監督は「うちのペースで試合が進んでいる」と発破を掛けたほどで、試合の趨勢は終盤を迎えた時はほとんどわからないものと言ってよかった。
しかし、次の1点は大阪桐蔭に入る。
1死から5番の丸山一喜に左中間を破る二塁打を許す。6番の田井志門を一塁ゴロに打ち取るも、これを一塁手が弾き、一三塁。続く星子天真にスクイズを決められ1失点を喫した。
鳴門打線は反撃できず、このままゲームセット。1-3という接戦ながら、鳴門はあと一歩及ばなかった。