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高校野球

【センバツ9日目投打のMVP】大阪桐蔭の前田悠伍が変幻自在な投球で打者を翻弄! “おかわり二世”が5打数5安打の大爆発

西尾典文

2022.03.29

豪快なピッチングで存在感を示した前田。2年生とは思えないレベルの高い投球を見せつけた。写真:滝川敏之

豪快なピッチングで存在感を示した前田。2年生とは思えないレベルの高い投球を見せつけた。写真:滝川敏之

 3月19日に開幕した選抜高校野球。プロのスカウトも注目する選手も多いなかでも見事な活躍を見せた投手、野手を毎日その日のMVPとして選出する。準々決勝の4試合が行なわれた大会第9日目は以下の選手となった。

■投手MVP
前田悠伍(大阪桐蔭2年):6回、被安打1、0失点、12奪三振、1四球

 甲子園初登板の2年生とはとても思えない圧巻のピッチングを見せ、文句なしの選出となった。ストレートは今大会に登場したサウスポーで最速となる143キロをマークしたが、それ以上に素晴らしいのが投球術だ。

 速いボールを内角に腕を振って投げ込み、多彩な変化球を低めに集めて相手打者に全く自分のスイングをさせなかった。2年春の時点の完成度という意味では過去を振り返っても一、二を争うレベルであり、自滅するようなタイプでもないため、攻略するのは簡単ではない。

 6回で12個の三振を奪いながら、球数が「86」というところにも凄さが表れている。準決勝以降の起用がどうなるかは分からないが、相手チームにとっては脅威の存在となるのは間違いない。

■野手MVP
丸山一喜(大阪桐蔭3年):5打席5打数5安打4打点

 18安打17得点と打線が爆発した大阪桐蔭だが、そのなかでも5安打をマークした丸山を選んだ。特に大きかったのが1回の先制タイムリーだ。ワンアウト二・三塁のチャンスの場面で決して大振りすることなく、コースに逆らわずにレフト前に強く弾き返し、走者2人を迎え入れた。2回から4回までは得点できなかった状況を考えても、この2点がなければもっと接戦になっていた可能性も十分にあった。

 たくましい体格でパワーも申し分ないが、左投手に対しても全く体勢を崩されない対応力の高さが光る。松尾汐恩、海老根優大の2人がドラフト候補として注目を集めているが、打撃の確実性に関しては上回っている印象だ。準決勝でもその打撃にぜひ注目してもらいたい。

文●西尾典文

【著者プロフィール】
にしお・のりふみ。1979年、愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。アマチュア野球を中心に年間約300試合を取材。2017年からはスカイAのドラフト中継で解説も務め、noteでの「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも多くの選手やデータを発信している。

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