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高校野球

【センバツ10日目投打のMVP】ともに大阪桐蔭から選出! 川原嗣貴は7回2失点、松尾汐恩は4安打の大活躍を見せる

西尾典文

2022.03.30

1回戦に続いて力投を見せた川原。6回には2点を失ったものの、その安定感抜群だ。写真:塚本凛平(THE DIGEST写真部)

1回戦に続いて力投を見せた川原。6回には2点を失ったものの、その安定感抜群だ。写真:塚本凛平(THE DIGEST写真部)

 雨で1日遅れの3月19日に開幕した選抜高校野球。プロのスカウトも注目する選手も多いが、その中でも見事な活躍を見せた投手、野手を毎日その日のMVPとして選出する。準決勝が行なわれた大会第10日目は以下の選手となった。

■投手MVP
川原嗣貴(大阪桐蔭3年):7回、被安打5、2失点(自責点2)、8奪三振、1死球

 1回戦から間隔が空いての登板となったが、そんな影響を全く感じさせない安定したピッチングでチームを勝利に導いた。

 3回まではパーフェクト、5奪三振と国学院久我山打線に全く付け入る隙を与えない完璧なピッチングを披露。5個の三振を奪いながらも、35球という球数で3イニングを投げ終えているところに安定感がよく表れている。

 コンスタントに140キロを超えるストレートは数字以上の威力があり、変化球も全てが実戦的なボールだ。6回には2点を失ったものの、7イニング中5イニングが三者凡退で、1回戦に続いて与四球0(与死球は2試合ともに1)と、コントロールも安定している。

 決勝戦ではリリーフで待機することになりそうだが、昨年夏に自身が負け投手となった近江が相手だけに、リベンジしたいという気持ちも強いだろう。
 
■野手MVP
松尾汐恩(大阪桐蔭3年):5打席5打数4安打1本塁打2打点

 準々決勝までの2試合はわずか1安打と沈黙していたバットがようやく火を噴き、ホームランを含む4安打の大活躍で文句なしに選出した。

 第1打席こそ相手の守備位置の深さによってセンターフライに倒れたものの、その後は4打席連続安打を記録。ヒットが続いたことで力みも徐々になくなり、第4打席のホームランは上手く力を抜いてきれいに振り抜いたものだった。

 途中から回ったショートで二つのエラーを喫したのは少し気になったが、捕手としても先発の川原を好リード。テンポ良くサインを出し、返球のリズムも素晴らしいものがある。

 昨年秋の明治神宮大会では決勝で2本のホームランを放っているだけに、選抜の決勝の舞台でも大暴れに期待したい。

文●西尾典文

【著者プロフィール】
にしお・のりふみ。1979年、愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。アマチュア野球を中心に年間約300試合を取材。2017年からはスカイAのドラフト中継で解説も務め、noteでの「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも多くの選手やデータを発信している。

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