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MLB

過去2年のOPSはメジャー最低、本塁打ゼロもただ一人…レッズ戦力外の秋山翔吾の“現在地”と課題<SLUGGER>

新井裕貴(SLUGGER編集部)

2022.04.06

レッズ退団を選んだ秋山。今後の活躍に期待したいが、そのためには“メジャー最底辺”のパワー改善が必要不可欠となる。(C)Getty Images

レッズ退団を選んだ秋山。今後の活躍に期待したいが、そのためには“メジャー最底辺”のパワー改善が必要不可欠となる。(C)Getty Images

 4月7日(現地)のシーズン開幕に向けて盛り上がりを見せているメジャーリーグ。昨年の球史に残る大活躍で球界の顔となった大谷翔平(エンジェルス)はもちろん、今年はカブスに入団した鈴木誠也も大きな話題を集めている。

 そんな中、一人の日本人選手に非情な通告がなされた。

 3日、レッズの秋山翔吾が40人ロースターから外れたと発表された。オープン戦で22打数4安打(打率.182)、長打ゼロと結果を残せなかった秋山は、再建へと舵を切ったレッズにあっても居場所を見つけることはできなかった。ニック・クロールGMはロースターから外した理由について、「すでに多くの左打者がいて不要な存在だった」と明かしている。

 これにより秋山はそのままマイナーでプレーするか、FAとなって他球団への移籍を目指す選択肢があったが、5日になって後者を選択。事実上のリリースとなった。3年契約最終年の年俸800万ドル(約10億円)の支払いはすべてレッズが負うことになる。

 昨年、筒香嘉智もレイズを事実上の解雇となった後にドジャースへ移り、マイナー生活を経験したのち、パイレーツで開花の兆しを見せた。秋山も同じように“安住の地”を見つけることに期待したいが、果たして彼はメジャーにおいてどんな立ち位置にいるのだろうか。具体的にデータを見ていくと、厳しい現実が見えてくる。
 
 秋山と言えば、西武時代の2015年にNPBシーズン最多216安打を記録したヒットメーカーという印象が強い。打率も、この年の.359を最高に渡米直前の3シーズン連続で打率3割をクリアした。しかし、メジャー1年目の2020年は打率.245、そして昨季は.204まで下落。過去2年間の打率.224は350打席以上の301人中252位で、安打製造機の面影は完全に消え失せていた。

 もっとも、昨今のメジャーリーグは投手の高速化もあり、平均打率も.245前後と下がっている。昨年の大谷も、打率だけでいえば.257に過ぎず、これはMVP受賞者(投手を除く)では歴代最低打率だった。ただ、大谷はその一方で両リーグ3位の46本塁打を放ち、OPS(出塁率+長打率).965はリーグ2位、長打率.592も同じく2位と、球界有数のパワーヒッターとして君臨していた。良し悪しは別として、長打をしっかり量産できる限りは多少打率が低くても問題視されないのが今のメジャーリーグだ。

 では、秋山はどうか。

 過去2年で350打席以上立った選手301人中、OPS.594は294位。長打率-打率で算出し、純粋なパワーを示すISO.050はワーストの301位、そして本塁打は唯一の0本。日本時代の雄姿からは信じられないが、少なくとも過去2年の秋山は「MLB最底辺に位置する非力な打者」というのが実像だ。

【動画】秋山が“守備で見せた”超絶美技! この輝きをもう一度
 
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