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鈴木誠也のメジャー1年目は「打率.287・29本塁打・WAR3.9」? MLBの成績予測システム“プロジェクション”を徹底解説!<SLUGGER>

DELTA

2022.04.05

超大型契約でメジャー移籍を果たした鈴木。果たして彼の成績はどのように“予測”されているのだろうか。米国のデータシステムがはじき出した答えとは?(C)Getty Images

超大型契約でメジャー移籍を果たした鈴木。果たして彼の成績はどのように“予測”されているのだろうか。米国のデータシステムがはじき出した答えとは?(C)Getty Images

 鈴木誠也のメジャー1年目がついに始まる。カブスと結んだ5年8500万ドル(約101億円)の契約はメジャー経験のない選手への提示としてはケタ外れの金額であり、鈴木に対する期待の大きさを表している。ただ、金額が金額だけにファンやメディアから求められるハードルも必然的に高くなってくる。果たして鈴木は、実際にどれほどの成績を残せるだろうか。

【動画】鈴木誠也が“メジャー1号”! 現地ファンも熱狂する特大弾

 メジャーリーグには、シーズン前に選手の成績を予測する文化が浸透している。この成績予測のことを「プロジェクション」という。この選手は打率何割、本塁打を何本打つだろうと具体的な数字を明示していくのだが、予測をするのは解説者やファンではなくコンピュータだ。

 近年のメジャーリーグでは、データ分析が高度に発達した結果、未来を予測するデータまで登場している。そしてこれは、一部のデータオタクの間だけで盛り上がりを見せているものではない。メジャーリーグ公式サイトで用語解説が行われるほど一般的なものであり、ファンはその予測データを使って、シーズンの行方を占っていく。
 
 具体的にどのように成績が予測されるのだろうか。実は、プロジェクション・システムは多数存在しており、予測の手法に決まった形はない。考案者がそれぞれの考え、アプローチでシステムを設計しているが、基本となっているのは過去の成績をベースとする予測。過去数年の成績を平均することで、その選手の「妥当な成績」に近づくことができる、と考えるのだ。

 ただ単純に平均するのではなく、直近シーズンに重み付けを行う手法がスタンダードだ。2022年シーズンの予測成績には、20年より21年の成績がより大きな影響力を持ち、反映される計算式を組むのである。過去の成績以外にも、加齢による成長・後退の影響、故障歴、トラッキングデータなど、システムによって採用している要素はさまざまである。これらを総合して選手の成績が機械的に予測される。

 では、鈴木はこのプロジェクション・システムでどのような成績を残すと予測されているのだろうか。米データサイト『FanGraphs』では、さまざまな成績予測が掲載されている。代表的なものをいくつか紹介しよう。

・Streamer:打席545 打率.287 本塁打29 盗塁9 OPS.922
・THE BAT:打席519 打率.252 本塁打19 盗塁8 OPS.777
・ZiPS:打席583 打率.287 本塁打24 盗塁12 OPS.834

 FanGraphsで掲載されている中で、鈴木を最も高く評価しているシステムがSteamerだ。OPS.922は昨シーズンのメジャー全体でも8位に相当する数字であり、かなりの高評価である。一方でTHE BATは、打率.252、本塁打19本、OPS.777と低めの予測。このように、システムによって鈴木の評価はかなり割れている。

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