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驚異の空振り率73.3%! 敵将ベイカーも驚くしかなかった大谷翔平の変化球とは?「誰も本当の威力に気づいていない」

THE DIGEST編集部

2022.04.21

アストロズ打線を牛耳る投球を披露した大谷(左)。そのピッチングに敵将のベイカー(右)は脱帽した。(C)Getty Images

「ノーヒットで終わらなくてよかったよ……」

 百戦錬磨の名将は、ポツりと"本音"を漏らした。現地時間4月20日に行なわれたロサンゼルス・エンジェルス戦で、先発の大谷翔平にわずか1安打に抑え込まれたヒューストン・アストロズの指揮官ダスティ・ベイカーだ。
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 強打を誇るアストロズ。その実力派バッターたちのバットが面白いように空を切った。大谷はいきなり2者連続三振を決めると、そこから勢いに乗った。低めに鋭く速く落ちるスプリットと大きく曲がるスライダーを軸に、次々と相手打者を翻弄。3回から4回にかけては6者連続三振を奪うなど、背番号17は6回を投げ切って降板するまでに12奪三振。まさに"ショウタイム"だった。

 大谷の快投を目の当たりにして、ベイカーも賛辞を惜しまなかった。試合後の会見で「今日のオオタニは素晴らしい投球をした。それは認めざるを得ない」と明言。そして、次のように続けた。

「とくにスライダーが素晴らしい仕事をしたと思う。彼が速球とスライダー、そしてスプリットを武器にしているのは知っているけど、いまやスライダーも完璧にマスターしている。私が今年初めのほうに言ったように、誰も彼のスライダーの本当の威力に気づいていない。今までにいったい何人の打者が、あのボールを振らされたことか」

 実際、今日の大谷のスライダーはキレ味抜群だった。左打者には外角からストライクゾーンに入ってくる球、右打者には外角のボールゾーンへ逃げていくような球となり、バッターは対応に苦しみ、空振り率は驚異の73.3%を記録した。

 もちろん、大谷がスライダーを重要視したのは、エンジェルスを率いるジョー・マッドンも高く評価している。試合後の取材で「彼はスカウティングレポートを見て投げるような選手じゃない。相手を感覚で確かめるんだ」と語った。

「自分で実際に見て、感じたことをもとに相手を攻める。だから今日みたいにスライダーが良くて、ストライクが取れるならそうするんだ。それこそが天才のやり方だ。自分がその日に感じたことを体現できるんだよ」

 相手打者に全く隙を与えない支配的なピッチングで、待望の今季初勝利を挙げた。ここから偉才の勢いが加速していくのかを興味深く見守りたい。

構成●THE DIGEST編集部

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