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「ロボット審判に賛成」誤審に“泣いた”フィリーズ監督が明言。大谷翔平も今季は審判が敵に?<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2022.04.28

“誤審”が目立つMLB。最近ではシュワーバーが審判に詰め寄る一幕もあり、大谷(左)も厳しい判定が続いている。(C)Getty Images

 日本でも4月24日に行われたオリックス対ロッテ戦で審判が"目立つ"一件があったが、メジャーリーグでも同様な事例があった。

 現地時間24日のフィリーズ対ブルワーズ戦、これまで誤審の多さで有名だったエンジェル・ヘルナンデスが球審を務めると、あまりのミスの多さに批判が殺到。9回には選手がついに激昂し、バットとヘルメットを地面に叩きつけて猛抗議する一幕も見られた。

 この試合のヘルナンデスは、ストライクとコールした48球のうち11球が実際はボールで、ストライク正答率77%はメジャー平均(88%)を大きく下回っていた。加えてフィリーズは4個、ブルワーズは2個の見逃し三振があったのだが、その結果球はいずれもボール。さすがにこれでは荒れるのもやむなしだろう。

 試合後、フィリーズのジョー・ジラルディ監督は「審判は簡単な仕事ではない」と強調しながらも、「オートマティック・ストライクゾーン(通称ロボット審判)に賛成だ」と明言。より正確なジャッジになることを望むコメントを残している。

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 ロボット審判は独立リーグで3年間運用され、マイナーリーグでも徐々に適用。今季は3Aの数試合で導入されており、近い将来、メジャーにもその波が来てもおかしくないところまで来ている。

「審判の仕事が奪われる」――との声もあるが、不正確な判定は選手のパフォーマンスに直結するわけで、選手の仕事を奪うという見方もできる。また、審判は高齢化が深刻な問題だ。年齢を重ねると動体視力も低下する傾向にある一方で、メジャーも日本球界も投手の球速は速くなっており、物理的に正しいジャッジを行うことは至難の業。だからこそ、ジラルディ監督は「簡単な仕事ではない」と擁護もしているわけだ。

 たかが一球、されど一球。ストライクカウントが一つ異なるだけで打撃/投手成績は大きく変わる。例えば今シーズン、その"犠牲者"の一人になっているのが大谷翔平(エンジェルス)かもしれない。 

 今季は本人が堂々と見送ってボールと判断した球がストライクとコールされるケースが散見され、現地時間25日のデータによると、ストライクゾーンから外れたボールをストライクと判定された割合は昨年の6.3%から10.5%まで増加。25日のガーディアンズ戦では"回っていない"チェックスウィングを取られて三振、次の打席ではゾーンからだいぶ外れたボールをストライクと判定され、大谷も唖然とした表情を浮かべていた。

 前日24日のオリオールズ戦も、1点を追う9回にカウント3-0で塁に出れば同点のチャンスまで作ったが、明らかにゾーンから外れたボールをストライクとされて本人も落胆。最終的に三振に終わり、打撃成績は下がりチームも負けるという最悪の結果に終わった。

 ロボット審判がすべてを解決するかは分からない。もちろん、マイナス面もあるだろう。しかし、補って余りあるプラス材料も同時にあるはずだ。

構成●SLUGGER編集部 

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