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プロ野球

開幕1か月の「ブレイク野手」は? “4割打者”・松本は危険フラグも、三森と石川は今後も活躍をキープか<SLUGGER>

DELTA

2022.05.05

開幕1ヵ月でのブレイクは今後も続く? 首位打者・松本(右)は出来過ぎな感が否めないが、石川はむしろ不運だった。写真:塚本凛平(松本)、山手琢也(石川)

開幕1ヵ月でのブレイクは今後も続く? 首位打者・松本(右)は出来過ぎな感が否めないが、石川はむしろ不運だった。写真:塚本凛平(松本)、山手琢也(石川)

 プロ野球も開幕から1か月以上が経過。昨季上位のチームが下位に沈むなど、異なる様相を呈している。また、異なるのは選手も同様だ。昨季まで無名だった選手、あるいはルーキーのなかにも、ここまで非常に優れた成績を残している選手もいる。彼らは今後も活躍を維持できるのだろうか。3・4月にブレイクした野手3名をピックアップし、今後を占ってみたい。

●松本剛(日本ハム)
打席89 打率.418 出塁率.477 長打率.468 本塁打0

 ここまで最大のサプライズと言っていい活躍を見せているのが松本剛だ。過去4シーズンは満足に出場機会を得られなかったが、今季は4月終了時点で4割オーバーの打率を記録するなど、新生日本ハム打線をけん引している。

 ただ、今後も松本が4割を持続できると考える人は少ないはずだ。野球の成績には実力だけでなく運の要素が多分に含まれており、シーズン序盤は打席数の少なさから成績が極端に振れやすい。

 こうした実力以外の部分がどれだけ成績に影響を与えているかはBABIP(
Batting Average on Balls In Play)という指標を使うことで推測することができる。BABIPは本塁打を除いたインプレー打球(邪飛は含む)のうち、どれだけの割合で安打が生まれていたかを表した指標だ。
 
 このBABIPの値は、どれだけ優れた打者でも打席を重ねれば3割前後に収束するとされている。足の速い打者、芯で捉える技術に長けている打者はやや上振れする傾向にあるが、そうした打者の象徴といってもいいイチローでさえ、MLBでの通算BABIPは.338だった。

 高いBABIPを維持するのは極めて難しいのだ。つまり3割前後を基準として、BABIPがどれだけ高い・低いかによって、成績に実力以外の部分がどれだけ含まれているかを推測することができる。

 さて、今季の松本のBABIPを見てみると、「.452」。これは異常値といってもいいほどの高さだ。現在の成績はやはりかなりの幸運が含まれていると考えるのが自然であり、今後打席を重ねていきBABIPが低下するにつれ、成績も落ち着いていくだろう。その時にいよいよ、松本の真価が試されることになる。

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