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プロ野球

開幕1か月の「ブレイク野手」は? “4割打者”・松本は危険フラグも、三森と石川は今後も活躍をキープか<SLUGGER>

DELTA

2022.05.05

持ち前の長打力を発揮しつつある石川。今後は打率の向上も期待できるかもしれない。写真:山手琢也

持ち前の長打力を発揮しつつある石川。今後は打率の向上も期待できるかもしれない。写真:山手琢也

●三森大貴(ソフトバンク)
打席107 打率.312 出塁率.375 長打率.495 本塁打4

 松本と同じくパ・リーグで飛躍を遂げている野手が三森大貴だ。昨季まで一軍442打席で本塁打ゼロ本の打者が、今季はすでに4本塁打。1番打者の確保に苦しんでいたチームの課題を解決してみせている。

 この三森についてBABIPの値を見ると.342。平均(3割前後)から比べるとやや高いが、松本の.452のような異常に高い値ではない。運に頼らず成績を残せていると言える。また、放った打球の傾向を見ても三森の進歩は感じとれる。

 昨季の三森は放った打球の69.8%がゴロになっていたが、今季は42.9%に低下。その一方で安打になりやすいライナー打球が前年から約6%、長打になりやすいフライが約10%上昇している。それほど運に恵まれすぎているわけでもなく、また成績向上の裏付けとなる打球傾向の変化もある。今ほどではないにせよ、成績を維持できる見込みはありそうだ。
 
●石川昂弥(中日)
打席99 打率.222 出塁率.273 長打率.433 本塁打4

 セ・リーグでは石川昂弥の活躍が目立つ。4月終了時点で打率は.222ながら、二塁打5本、三塁打1本、本塁打4本と長打を連発。得点力不足にあえぐドラゴンズ待望の長距離砲として資質を表している。

 そんな石川のBABIPは.235。平均を大きく割っており、ここまでは運に恵まれているどころか、非常に不運な状態にあったようだ。今後この値は持ち直していく見込みが高く、それにあわせて打率も向上していくだろう。今後もこのペースで長打を放つことができれば、成績は向上していく可能性を秘めている。

※データはすべて4月終了時点

文●DELTA(@Deltagraphs/https://deltagraphs.co.jp/)

【著者プロフィール】
2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』の運営、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート5』(水曜社刊)が4月6日に発売。

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