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粘着物質検査の“遅さ”に暴言! MLBベテラン左腕の退場劇が波紋「審判が退場を扇動していた」と指摘も

THE DIGEST編集部

2022.05.05

塁審のベリーノに怒りを爆発させたバムガーナー(左)。この退場劇はダイヤモンドバックスの関係者だけでなく、球界全体で話題となっている。(C)Getty Images

 球場全体が騒然とする退場劇が波紋を広げている。注目を集めているのは、現地時間5月4日に行なわれたアリゾナ・ダイヤモンドバックスとマイアミ・マーリンズ戦でのワンシーンだ。

 キッカケとなったのは、ダイヤモンドバックスのエースの言動だった。

 敵地に乗り込んだチームを勝たせるべく先発マウンドに立ったマディソン・バムガーナーは、初回に先頭打者アーチを浴びるも、後続を3者連続でフライに打ち取ってベンチへ戻った。その際に事件は起きる。もはや恒例となっている粘着性物質の使用確認のため、身体検査を一塁塁審のダン・ベリーノから受けたバムガーナーは、利き手の左手を入念にチェックされると、ギロッと審判を睨みつけたのだ。

 これに「なんだ」と言わんばかりにベリーノも応戦。すると、一気にヒートアップしたバムガーナーは、Fワードを用いてハッキリと「なんだよ、クソッタレ! あんた時間をかけすぎだろ」とフラストレーションを爆発させたのである。

 これに「私は汚い言葉で罵られた」としたベリーノは即刻退場を宣告。咄嗟の出来事に困惑したダイヤモンドバックスの指揮官トロイ・ロブロらが飛び出して、事態の収拾に努めたが、バムガーナーへの判定が覆りはしなかった。

【動画】審判に非はないか? キレて暴言を吐いたバムガーナーの退場シーンをチェック
 試合は9回表にダイヤモンドバックスが逆転して8対7で勝利。その結果もあってか、冷静さを取り戻したバムガーナーは、「退場にさせられた理由は分かってる。俺はいたってクールだ」と語ったうえで、「もうみんなも散々ビデオで見ただろ。彼(ベリーノ)のチェックが遅かったし、俺はそのやり方が気になったんだ」と激昂した理由を説明した。

 MLBキャリア13年を誇るベテラン左腕の退場劇は、現地メディアや識者の間でも大きな話題となった。米老舗スポーツ誌『Sports Illustrated』が「今シーズンで最も奇妙な選手とアンパイヤのやり取りだ」とレポート。さらに元MLB投手のダン・ヘイレンは自身のツイッターで、次のように記した。

「バム(バムガーナーの愛称)は、完全にベリーノに退場するように扇動されている。彼はイニング中に球審に不満を漏らしていたバムが自分に反応するまで睨みつけていた。つまり(退場を)狙っていて、追い出したかったんだよ。ベリーノこそ何らかの処分を受けるべきだし、本当に酷いよ」

 もっとも、バムガーナーは、「チームに大きな穴をあけてしまったことは申し訳なく思う。そして勝ってくれたことを誇りに感じるね」と語っており、事態は完全に落ち着いたと見てよさそうだ。

構成●THE DIGEST編集部

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