日本球界を代表する若きスラッガーの猛打が止まらない。
5月7日に行なわれた巨人戦で、ヤクルトの村上宗隆が9号満塁ホームランをマーク。前日に続く2試合連続のグランドスラムは、プロ野球史上9人目、球団史上初となる偉業達成となった。
甘く入ったスプリットを見逃さなかった。ヤクルトが2点をリードしていた3回表、巨人先発のマット・シューメーカーがカウント1-1から投じた膝元を突くような136キロのスプリットをジャストミート。打球はあっという間にライトスタンド中段へと飛び込んだ。
前日には堀田賢慎からバックスクリーンへの満塁本塁打を放っていた村上。12球団の球場ではトップクラスにホームランが出やすい東京ドームが舞台だったとはいえ、絶好機を逃さなかった勝負強さはさすがと言うほかにない。
元メジャーリーガーからの一発とあって、海外の記者からも注目される存在となった。NPBにも造詣が深い米メディア『Fan Graphs』のキム・スンミン記者は「NPB全体の攻撃力が低下しているなかで、ムラカミは堅実なシーズンを送っている。相手投手のマット・シューメーカーもNPBでは悪くない成績を残している」と賛辞を送っている。 2試合連続グランドスラムは、そうそうお目にかかれるものではない。それはたしかだ。だが、今季の村上をもってすれば、達成してもおかしくないのではないかと思えてくる。それは彼のパワーヒッターとして成長ぶりが何よりも物語っている。
球界にはISOというセイバーメトリクスがある。これは長打率から打率を引いたもので、打者の純然たるパワーを示すものだ。率としては.250を超えれば、「非常に優秀」と言えるスタッツなのだが、村上はこれが.300というハイアベレージなのだ。ちなみにリーグが異なるために一概に比較はできないが、大谷翔平のそれは.150、鈴木誠也は.255である。
さらに今季の村上は、得点圏打率が.324、OPS.が1.013、空振り率も16.49%と図抜けた数値を残しており、クラッチヒッターとしては有能。加えて東京ドームを舞台にお膳立てさえ整えば、球史に残る離れ業も楽々とやり得ると考えられる。
無論、言うが易し、行うが難しとはよく言ったもので、2試合連続満塁弾は、とくにプロの世界においては容易ではない。しかし、「今の村上ならやれる」――。そう思わせてくれるだけの凄みが、日進月歩で飛躍を続けるスラッガーにはある。
構成●THE DIGEST編集部
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甘く入ったスプリットを見逃さなかった。ヤクルトが2点をリードしていた3回表、巨人先発のマット・シューメーカーがカウント1-1から投じた膝元を突くような136キロのスプリットをジャストミート。打球はあっという間にライトスタンド中段へと飛び込んだ。
前日には堀田賢慎からバックスクリーンへの満塁本塁打を放っていた村上。12球団の球場ではトップクラスにホームランが出やすい東京ドームが舞台だったとはいえ、絶好機を逃さなかった勝負強さはさすがと言うほかにない。
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球界にはISOというセイバーメトリクスがある。これは長打率から打率を引いたもので、打者の純然たるパワーを示すものだ。率としては.250を超えれば、「非常に優秀」と言えるスタッツなのだが、村上はこれが.300というハイアベレージなのだ。ちなみにリーグが異なるために一概に比較はできないが、大谷翔平のそれは.150、鈴木誠也は.255である。
さらに今季の村上は、得点圏打率が.324、OPS.が1.013、空振り率も16.49%と図抜けた数値を残しており、クラッチヒッターとしては有能。加えて東京ドームを舞台にお膳立てさえ整えば、球史に残る離れ業も楽々とやり得ると考えられる。
無論、言うが易し、行うが難しとはよく言ったもので、2試合連続満塁弾は、とくにプロの世界においては容易ではない。しかし、「今の村上ならやれる」――。そう思わせてくれるだけの凄みが、日進月歩で飛躍を続けるスラッガーにはある。
構成●THE DIGEST編集部
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