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プロ野球

2戦連続満塁弾は必然だった!? 村上宗隆の離れ業も、長距離砲としての飛躍を示す驚異のデータを見れば納得?

THE DIGEST編集部

2022.05.08

スラッガーとして日々成長を遂げている村上。そんな彼には2試合連続満塁弾も朝飯前なのかもしれない。(C)THE DIGEST

スラッガーとして日々成長を遂げている村上。そんな彼には2試合連続満塁弾も朝飯前なのかもしれない。(C)THE DIGEST

 日本球界を代表する若きスラッガーの猛打が止まらない。

 5月7日に行なわれた巨人戦で、ヤクルトの村上宗隆が9号満塁ホームランをマーク。前日に続く2試合連続のグランドスラムは、プロ野球史上9人目、球団史上初となる偉業達成となった。

 甘く入ったスプリットを見逃さなかった。ヤクルトが2点をリードしていた3回表、巨人先発のマット・シューメーカーがカウント1-1から投じた膝元を突くような136キロのスプリットをジャストミート。打球はあっという間にライトスタンド中段へと飛び込んだ。

 前日には堀田賢慎からバックスクリーンへの満塁本塁打を放っていた村上。12球団の球場ではトップクラスにホームランが出やすい東京ドームが舞台だったとはいえ、絶好機を逃さなかった勝負強さはさすがと言うほかにない。

 元メジャーリーガーからの一発とあって、海外の記者からも注目される存在となった。NPBにも造詣が深い米メディア『Fan Graphs』のキム・スンミン記者は「NPB全体の攻撃力が低下しているなかで、ムラカミは堅実なシーズンを送っている。相手投手のマット・シューメーカーもNPBでは悪くない成績を残している」と賛辞を送っている。
 2試合連続グランドスラムは、そうそうお目にかかれるものではない。それはたしかだ。だが、今季の村上をもってすれば、達成してもおかしくないのではないかと思えてくる。それは彼のパワーヒッターとして成長ぶりが何よりも物語っている。

 球界にはISOというセイバーメトリクスがある。これは長打率から打率を引いたもので、打者の純然たるパワーを示すものだ。率としては.250を超えれば、「非常に優秀」と言えるスタッツなのだが、村上はこれが.300というハイアベレージなのだ。ちなみにリーグが異なるために一概に比較はできないが、大谷翔平のそれは.150、鈴木誠也は.255である。

 さらに今季の村上は、得点圏打率が.324、OPS.が1.013、空振り率も16.49%と図抜けた数値を残しており、クラッチヒッターとしては有能。加えて東京ドームを舞台にお膳立てさえ整えば、球史に残る離れ業も楽々とやり得ると考えられる。

 無論、言うが易し、行うが難しとはよく言ったもので、2試合連続満塁弾は、とくにプロの世界においては容易ではない。しかし、「今の村上ならやれる」――。そう思わせてくれるだけの凄みが、日進月歩で飛躍を続けるスラッガーにはある。

構成●THE DIGEST編集部

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