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MLB

数々の迷エピソードに彩られた“愛すべき負け犬”【オカモト“MOBY”タクヤが語るカブス愛:前編】<SLUGGER>

オカモト“MOBY”タクヤ

2022.05.21

草野球ではファーストを守るMOBY氏。初めてリグリー・フィールドを訪れて“一目惚れ”した。

草野球ではファーストを守るMOBY氏。初めてリグリー・フィールドを訪れて“一目惚れ”した。

 鈴木誠也入団もあって、日本でも再び注目度が高まっているシカゴ・カブス。「SCOOBIE DO」のドラマーで、日本一熱狂的なカブスファンと言っても過言ではないオカモト"MOBY"タクヤ氏に、MLBでも独特の立ち位置を持つカブスというチームの魅力について語ってもらった(聞き手:久保田市郎/SLUGGER編集長)。

――まずは、カブスファンになったきっかけから改めて教えてください。

オカモト"MOBY"タクヤ 1992年、高校1年生の時にミネソタ州に数週間ホームステイしまして、その時に初めてメジャーリーグの試合を見たんです。

 その後、大学に入って95年に1ヵ月くらいアメリカを旅行して、その時に初めてリグリー・フィールドに行きました。あの正面入り口の看板を見た時に、「うわー、『ブルース・ブラザース』(※)と一緒だ」って。そこで、音楽やコメディも含めて自分が好きなアメリカの大衆文化と野球がつながったというか、リグリーがそういうもののシンボルというかランドマークなんだなと思ったわけです。

※『ブルース・ブラザース』:『サタデーナイト・ライブ』から生まれた人気キャラクターの珍道中を描いた名作。ジェームズ・ブラウン、レイ・チャールズ、アレサ・フランクリンなど超大物ミュージシャンが出演していることでも知られる。
 
――『ブルース・ブラザース』では、主人公の車の免許証の住所がリグリーと同じなんですよね。

 もう一目惚れみたいなもんで、チームが強くないことも知っていたんですけど、「僕はこのチームを好きにならざるを得ない」と。で、実際に球場で試合を見たら、すげえファンの柄が悪くて(笑)。場所はアップタウンなのに、中身は80年代のパ・リーグの球場みたいな。子供がおっさんにピーナッツを投げつけたり。

――住宅地の中に急に球場が現れるあの感じはリグリー独特の魅力ですよね。今は再開発で周辺の雰囲気もちょっと変わったみたいですけど、昔は近くにセブンイレブンやマックとかタコベルがあって。セブンにちょっと危なそうな兄ちゃんがいたり、マックで本当に普通の家族が食事してたり、そういう中にあの球場があるっていうのがすごく魅力で。

 球場のすぐそばに『メトロ』っていう有名なライブハウスがあるんですけど、そこでよくチーム主催のチャリティライブをやっていて、カブスの選手も遊びに来るんです。何か、選手が「近所の有名な兄ちゃん」という感じで、ファンとすごく近いんですよね。
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