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インコースへの死球でもないストレートで退場! アストロズ守護神への“不可解宣告”が物議「率直に恥ずかしい」

THE DIGEST編集部

2022.06.06

カラパッツァ球審から突如として退場を命じられて激昂するプレスリー(55番)。この後にベイカー監督もベンチを飛び出して猛抗議を展開する事態に発展した。(C)Getty Images

 予期せぬジャッジが好ゲームに水を差した。現地時間6月5日に行なわれたカンザスシティ・ロイヤルズとヒューストン・アストロズの一戦でのワンシーンだ。
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 ジャッジが下された瞬間に、おそらく審判を除いた誰もが「?」となった。4点をロイヤルズが追っていた9回裏1死無塁の場面、アストロズのクローザーであるライアン・プレスリーが、カウント2-0から相手打者マイケル・A・テイラーに投じた95.8マイル(約154.1キロ)の4シームは、インコースへと抜けて腰元付近へと飛んだ。

 点差的にも故意に当てるような局面でもなく、単なるすっぽ抜けであり、テイラーもさして気にした様子は見せていなかった。しかし、球審のヴィック・カラパッツァはゲームを止めると、塁審たちを集めて相談。そして、「何があったの?」と疑問を投げかけるマウンド上のプレスリーに退場を宣告したのだ。

 インコースにボールがすっぽ抜けただけで退場を命じられたプレスリーは、当然のように激昂。アストロズベンチからはダスティー・ベイカー監督も飛び出してカラパッツァ球審をはじめとする審判団へ猛抗議を展開したが、33歳の守護神に下された判定は覆られなかった。
 
 結局、アストロズが7対4で制した試合後、メディアの取材に応じたプレスリーは「審判は俺が故意に当てにいったと判断したらしい」と説明したうえで、「こんなんじゃ、もう俺たちはメジャーリーグじゃ投げられないよ。俺だって人間だから寂しくなる。疑っておいて放り出すなんてもっとマシな仕事をしろって言いたいね」と嘆いた。

 メジャー監督歴29年の名将ベイカーも「まったくもって意味不明だ」と訴えたカラパッツァ球審の退場宣告は、当然のように識者たちから批判的な声が上がった。米メディア『Barstool Sports』のジャレッド・カナビス記者は「普段はアンチ審判ではないけど、これは率直に恥ずかしい」と指摘。さらに米放送局『FOX Sports』のアナリストを務めるベン・バーランダー氏は「UmpShow(アンパイアのショー)」という皮肉めいたハッシュタグを拡散するとともに、こう憂いた。

「ここ数年、審判は"AI審判"を推す声ばかりを聞いていて、自分たちが必要だということを証明しようとしすぎているような気がしてならない。プレスリーの退場は今年見た権力の誇示のなかでも、最もばかばかしいものだ」

 AI審判の導入が叫ばれるなかで、今季のメジャーリーグにおいては今回のような審判による不可解な誤審が目立っている。ゆえに威厳を保とうとする彼らへの風当たりは強まる一方だと言わざるを得ないが、改善はされていくのだろうか。

構成●THE DIGEST編集部

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