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「全てが監督のせいではない」名将マッドン解任の“ショック療法”に大谷翔平&トラウトも沈痛!「これが野球だ」

THE DIGEST編集部

2022.06.08

マッドンの解任には、大谷(左)とトラウト(右)もショックを隠し切れない。(C)Getty Images

 まさに電撃的な人事だった。

 現地時間6月8日、エンジェルスはジョー・マッドン監督を解任した。5月11日時点「11」もあった貯金を、球団史上ワーストタイとなる12連敗で失った責任を問われた形だ。

 この日の朝に自宅を訪ねて直接伝えたというペリー・ミナシアンGMは「3週間前は思いもしなかった。つらい決断だが、変化が必要だった。違う人材にチームを任せるべきだと感じた。寝ても、覚めても、何がベストなのかずっと考えていた。そして今日の朝に、違う道に進もうと決めた」とモレノ・オーナーに了解を得た舞台裏を説明した。

 一方で、米メディア『The Athletic』のケン・ローゼンタール記者の取材に応じた当のマッドンは、「ちょっと驚いたね。いや実際のところ、かなり驚いた。選手やコーチたちに意見も聞かずいきなりだった。実情を知っているのは彼らなのに」とコメント。あくまで自分には指揮を執り続ける意思があったことを強調している。

 百戦錬磨の指揮官が驚くのも無理はない。なにせ今のエンジェルスは主力の相次ぐ故障に加え、シーズン開幕時には絶好調だったマイク・トラウトや大谷翔平のスランプという負の連鎖が重なる状況にあった。それだけに球団史に残る大型連敗の責任をマッドンだけに問うのは、いささか酷。彼がスケープゴートにされたという見方もできるだろう。

 名将に対して容赦なく断行された人事は、選手たちにも小さくない衝撃を与えている。『The Athletic』のサム・ブラム記者によれば、主砲のトラウトは「とても寂しい。でもこれが野球だと思って前を向くしかない」とコメント。さらに大谷は「全てが監督のせいという訳ではもちろんないです」と語った。
 
 マッドンが就任した2019年当時に伸び悩んでいた大谷にとってマッドンは、まさに恩師と言える存在だ。9勝&46本塁打と大幅に成績を伸ばした昨季には、投打同時出場、登板前後の休養日を撤廃などさまざまな策を考案。その豊富なアイデアが一躍ブレイクの手助けとなった。

 それだけに大谷は「むしろ自分自身の調子がこう上がらない。申し訳ないというのはもちろんある」と語る。だが、こうも続けている。

「何が最善なのか。その日、その日で決めていかなければいけない。長いシーズンですけど、そこが一番重要じゃないかなと思うので。負ける日もありますし、そこで最善を尽くしたかが大事だと思うので」

 名将マッドンの解任という"ショック療法"を施したエンジェルス。同日に行なわれたボストン・レッドソックス戦では、延長戦の末に5対6と完敗してチームは13連敗。この球団史に残る苦境から彼らはいかにして立ち直るだろうか。

構成●THE DIGEST編集部

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