高校野球

昭和と平成の甲子園を沸かせた名将が揃って登壇!ふたりが考える「令和の高校野球」とは?

2019.11.18

かつての甲子園の名将、高嶋氏(右)と中村氏(中央)。ともに50勝以上の名将だ。

 株式会社SSK主催の「プレミア12 決勝観戦ツアー」に先立つ懇親会が、17日にMLBCaféTOKYOで行われ、特別トークショーのゲストとして、元PL学園野球部監督の中村順司氏と、智弁和歌山高校野球部名誉監督の高嶋仁氏、そして元NHK高校野球中継実況アナウンサーの小野塚康之氏が登壇した。

 かつて清原和博・桑田真澄のKKコンビらを率い、前人未到の甲子園20連勝を成し遂げたPL伝説の名将・中村氏と、智弁学園と智弁和歌山で監督を歴任し、甲子園史上最多の通算68勝を挙げた高嶋氏。かつての甲子園を彩ったふたりの名将が、高校野球中継の名物アナウンザーだった小野塚氏を進行役に、過去から現在、そして未来の高校野球について、1時間以上にもわたって語り尽くした。
 
 トークショーはまず、ふたりのライバル関係についての話からスタート。同世代(ともに昭和21年生まれ)だが、監督として名声を得たのは中村氏の方が早い。PL学園が甲子園を席巻しはじめたのは80年代のことで、当時、智弁和歌山の監督に就任したばかりの高嶋氏にとって、中村氏はまさに雲の上の存在だった。ある時PLとの練習試合でセーフティスクイズを決められて敗れて以来、高嶋氏は打倒PLを志して指導を重ねてきたという。

 才能ある選手が幾人も入るPLには、特に投手力ではかなわない。そう考えた高嶋氏は「10点取られても11点取って勝つ野球」を目指した。こんなところから、豪打で甲子園を席巻した「強打の智弁和歌山」は生まれたのだという。話の流れからチーム作りについて問われると、中村氏は「投手と内野の守りをまずしっかり作る。それから、打撃を向上させていく」と回答。ある種王道の、悪く言えば面白みのない答えだが、それで甲子園を6度も制したのだから、これこそ簡にして要を得ているということなのだろうか。