侍ジャパン

堂々MVPの鈴木誠也が吐露した素直な感情――圧巻4割越え13打点も「自分の結果はどうでもよかった」

THE DIGEST編集部

2019.11.18

4番の重責を果たした鈴木。韓国との決勝でも1打点を挙げた。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

[プレミア12決勝]日本5-3韓国/11月17日/東京ドーム 

 侍ジャパンの4番が、納得のMVP選出だ。

 プレミア12の決勝が17日、東京ドームで行なわれ、侍ジャパンが宿敵・韓国に5対3で逆転勝利。2009年の第2回WBC以来、10年ぶりの世界一に輝いた。表彰式では大会の各賞が発表され、鈴木誠也(広島)と菊池涼介(広島)がベストナインに、鈴木は大会MVPも獲得した。

 今大会の鈴木は、心底頼りになった。オープニングラウンド初戦から決勝まで全8試合安打の活躍ぶりで、打率は4割越え。ホームランもオープニングラウンド第2戦のプエルトリコ戦から3試合連続で放つなど、勝負強い打撃で計13打点を記録し、首位打者と最多打点の2冠に輝いた。稲葉篤紀監督は選手の状態を見て打線の組み換えを頻繁に行なったが、4番・鈴木は1試合たりとも動かさなかった。

 優勝を決めた直後のインタビューで、当の本人は「本当に疲れたんですが、最後にこうやって勝てたので良かったです」と嬉しそうな表情を見せた。侍ジャパンの4番という大役を演じきった安堵感が素直に出たのだろう。打線のリーダーとしてチームを勝たせる仕事をする。そう強く意識していたことは、次のコメントからも伝わってくる。
 
「本当に今回はチームの優勝だけを心に刻んでやっていたので、自分の結果はどうでもよかった。ここ最近ずっと優勝できていなかったので、こういう大会で優勝できたのは本当に良かったです」

 監督やチームメイトから絶大な信頼を受け、世界大会でMVPを獲得してもなお、鈴木に驕りはない。

「まだたくさん良い選手がいて、4番を打つのかは分からないですけど、どこのポジションでも自分のやることは変わらない。また優勝できるように次の大会でも頑張りたいと思います」

 来年の東京五輪を見据えて紡いだ謙虚な言葉が、なおさらこの男への期待感を増幅させた。

構成●THE DIGEST編集部

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