ベンチ前で飛んだ鬼気迫る“猛ゲキ”は、SNSで物議を醸した。
事の発端となっているのは、6月12日に行なわれた日本ハム戦での一幕。4回まで散発の3安打と元気のなかった自軍打線に、中日の波留敏夫打撃コーチが一喝。5回の攻撃前にベンチ前で円陣を組んだ際に「目覚ませもっとお前ら! いつまで甘えてやってんねん、野球! その気でやらんかい、アホウ!」と声を荒げたのだ。
これがテレビ中継の音声に載り、波留コーチの振る舞いは、主にSNS上で波紋を広げた。様々な意見の大半は6連敗という中日の苦況にあって、高圧的な指導に疑問を呈するものだった。だが一方で、波留コーチの人格を否定するような誹謗中傷的なメッセージも目立った。
そうした状況で「勘違いしてほしくない」と持論を展開したのは、元中日の三ツ間卓也氏だった。
2016年から昨年まで同球団に所属していた右腕はYouTubeチャンネル「三ツ間卓也チャンネル」で「波留さんは激怒してるわけじゃないです。“ちょっと今日から切り替えて頑張ろうぜ”って表現したところだと思う」と指摘。自身も波留コーチから指導を受けた経験から次のように語った。
「スポットライトを浴びてない2軍ではあれは日常茶飯事です。波留さんもそうだし、仁村(前2軍監督)さんもすごかった。もちろん暴力は全くないですよ。でも気合を入れるためにということは日常茶飯事です」
プロ1年目に「しっかりいかんか、こらぁ」と言われたという三ツ間氏。だが、波留コーチの人柄を「関西弁で声がでかいし怒ってるように聞こえるが、めちゃくちゃ優しい人」と説く右腕は、「罵倒されてるとかではなく、波留さんはそういう表現をされる方。円陣を組んでる選手は怒られてる、キレてるとか一切感じないと思う」と強調した。
時にヒートアップをし、強い言葉によって士気を高めようとする。だが、それはあくまで選手を考えての言葉だという。三ツ間氏は「波留さんの世代の方ってそうやって励ましてくれるじゃないですか」と一定の理解を示した。
現在、セ・リーグの最下位に転落している中日。そうしたチーム状況のなかで、波留コーチの言動は、“過剰”に受け取られたとも言えなくもない。ともかく、今回の猛ゲキが勝利に結びつくのかは興味深いところである。
構成●THE DIGEST編集部
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これがテレビ中継の音声に載り、波留コーチの振る舞いは、主にSNS上で波紋を広げた。様々な意見の大半は6連敗という中日の苦況にあって、高圧的な指導に疑問を呈するものだった。だが一方で、波留コーチの人格を否定するような誹謗中傷的なメッセージも目立った。
そうした状況で「勘違いしてほしくない」と持論を展開したのは、元中日の三ツ間卓也氏だった。
2016年から昨年まで同球団に所属していた右腕はYouTubeチャンネル「三ツ間卓也チャンネル」で「波留さんは激怒してるわけじゃないです。“ちょっと今日から切り替えて頑張ろうぜ”って表現したところだと思う」と指摘。自身も波留コーチから指導を受けた経験から次のように語った。
「スポットライトを浴びてない2軍ではあれは日常茶飯事です。波留さんもそうだし、仁村(前2軍監督)さんもすごかった。もちろん暴力は全くないですよ。でも気合を入れるためにということは日常茶飯事です」
プロ1年目に「しっかりいかんか、こらぁ」と言われたという三ツ間氏。だが、波留コーチの人柄を「関西弁で声がでかいし怒ってるように聞こえるが、めちゃくちゃ優しい人」と説く右腕は、「罵倒されてるとかではなく、波留さんはそういう表現をされる方。円陣を組んでる選手は怒られてる、キレてるとか一切感じないと思う」と強調した。
時にヒートアップをし、強い言葉によって士気を高めようとする。だが、それはあくまで選手を考えての言葉だという。三ツ間氏は「波留さんの世代の方ってそうやって励ましてくれるじゃないですか」と一定の理解を示した。
現在、セ・リーグの最下位に転落している中日。そうしたチーム状況のなかで、波留コーチの言動は、“過剰”に受け取られたとも言えなくもない。ともかく、今回の猛ゲキが勝利に結びつくのかは興味深いところである。
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