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侍ジャパン

投手陣は収穫も三塁、外野、一番打者は…プレミア12の内容から「東京五輪」の選手選考を考える

氏原英明

2019.11.18

プレミア12初制覇を果たした侍ジャパン。決勝では宿敵・韓国を下した。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

プレミア12初制覇を果たした侍ジャパン。決勝では宿敵・韓国を下した。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

「世界野球プレミア12」は17日、決勝戦を行い、侍ジャパンが5対3で韓国に勝利し、大会初優勝を遂げた。来年開催される五輪の前哨戦とも位置付けられた大会で、大きな自信を手にしたのは間違いない。

 今大会の対戦国の事情がどこまで本気であるかが見えないから、この優勝で来年のオリンピックでの戦いが安心できるものになったわけではない。本番の五輪に向けてこれからの議論となってくるのは、今大会であぶり出された課題を整理して、どういった選手選考をしていくかだろう。

「今回はジャパンに対して熱いメンバーが集まってくれた。最後まで熱いメンバーでやりたいと思っていましたし、いいメンバーで戦えた」

 大会終了後の囲み取材で稲葉篤紀監督はそう語っている。
 彼なりに感じることも多かったのではないかと想像するが、今大会を振り返りながら、選手選考について考えてみたい。
 
 多くの収穫を得たのは投手陣だ。今大会を通じてある程度の形はできた。

 特に、後ろの3人、甲斐野央(ソフトバンク)、山本由伸(オリックス)、山崎康晃(DeNA)は目処が立った。山本は先発としての適性も検討に入れながらになるが、さらに、中川皓太(巨人)も加えて、7回以降を計算できるリリーバーは揃った。

 先発から第2先発にかけても、今大会の投手をベースにしても十分に戦える。

 いわば、投手陣は今大会のメンバーに辞退組を加えるだけで事足りる。

 先発陣では、千賀滉大(ソフトバンク)、菅野智之(巨人)、則本昂大(楽天)の3人は当然、代表入りしてくる。大瀬良大地(広島)、有原航平(日本ハム)も候補になるだろう。リリーフ陣に関しても、松井裕樹(楽天)、森唯斗(ソフトバンク)のクローザー候補を加えていけば、強力な投手陣が形成できる。防御率0.00を目指せるのではないかとさえ思える、わくわくとした投手陣なのだ。

 課題となるのは野手陣だ。
 今大会、稲葉篤紀監督は、「世界野球プレミア12」の制覇に絞ってメンバーを人選。海外移籍を目指した秋山翔吾(西武からFA)、ポスティングの申請が決まった菊池涼介(広島)を代表に招集した。秋山が怪我で離脱して課題が見えたように、1番打者探しが懸案事項になったことに加えて、セカンドのポジションを誰がやらせるかという答えを探さなければいけない。
 

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