プロ野球

ヤクルト石川雅規さらなる進化へ――200勝を目指す42歳が“令和のハイテク”を駆使するワケ

長谷川晶一

2022.06.21

“カツオ”の愛称でファンに親しまれる石川。頼もしいベテラン左腕はまだまだ歩みを止めない。写真:徳原隆元

「長年やってきただけです。たまたまです……」

 プロ21年目、42歳を迎えた東京ヤクルトスワローズ・石川雅規の記録ラッシュが続いている。4月23日の対阪神タイガース戦では、今季初勝利をマーク。入団1年目からの21年以上連続白星は史上3人目、左腕ではあの金田正一を抜いて史上初となった。あるいは、6月9日の対オリックス・バファローズ戦では、今季3勝目を記録して交流戦最多となる27勝で単独トップに躍り出ると同時にプロ通算180勝の節目を迎えた。

【動画】42歳石川と19歳内山の"23歳差"バッテリー!安定した投球でチームを勝利に導く

 そして、6月19日の対広島東洋カープ戦で記録した今季4勝目は、神宮球場最多タイとなる91勝となり、「昭和のエース」松岡弘と肩を並べることとなった。さらに、通算3000投球回も残り2回1/3(6月21日時点)となり、次回登板での達成が見込まれている。これは金田正一、松岡弘に次ぐ球団史上3人目の大記録となる。

 今シーズンキャンプ中にインタビューしたときには「体調はすごくいいです」と語っていた。開幕直前、そして開幕後に話を聞いたときにも、「今はすごくコンディションがいい」と話している。思えば、昨年は開幕直前に下半身のコンディション不良のために、プロ入り以来初となる「開幕二軍」という屈辱を経験した。

 だからこそ、今年は万全に万全を重ねる慎重なコンディション維持に努めている。昨年6月からはフィンランドのオーラ社が開発した指輪型の活動量計「オーラリング」を利用している。これを指にはめることで体温、心拍数、消費カロリー、睡眠の質が数値化され、自身の体調管理が容易となったという。
 
「試合以外は、練習のときもお風呂に入るときも、寝るときもずっとつけています。《睡眠95》、《コンディション93》とか、100点満点で数値化されるんです。今ではヤクルト内でも多くの選手がつけていますよ」

 石川の話を聞いていて、「ぜひ試してみたい」と思い、公式サイトから購入してみた。極端に進む円安のために、石川が購入した時点よりもかなり割高となってしまったものの、確かに自分の体調を数値で理解できるということはなかなか面白い。寝不足や二日酔いのときには極端に数値が悪化するし、適度な運動をして、早寝早起きをして快適な目覚めのときには数値も良化している。
 
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「心身のスタミナのコンディションが一致しないと、一軍のマウンドには立てない」