6月27日、秋山翔吾が広島東洋カープへ入団する意志を表明した。メジャーリーグでは結果を出せなかったとはいえ、今季3Aでは.343の高打率を残すなど、バッティング技術が衰えているようには見受けられない。何よりプロ野球記録の年間216安打、4度の打率3割をマークしたスター選手である。
この史上屈指の安打製造機が日本復帰の意思を示した際、獲得に乗り出したのは広島だけではない。古巣の埼玉西武ライオンズが、空き番号となっていた背番号55を用意して真っ先に入団交渉に臨んだ他、外野陣に故障者が続出している福岡ソフトバンクホークスも名乗りを上げた。3球団による争奪戦の様相を呈していたが、「西日本に住むのもセ・リーグという環境も初めて。新しいことを知りたいという思いがある」というチャレンジ精神が、広島行きの決め手となったようだ。
秋山の復帰が失敗に終わったことは、ライオンズ・ファンにとっては大きなショックだったろう。固定されたレギュラーが不在となっている「1番・センター」として、秋山は戦力的にもプラスになると期待されていたのは言うまでもないが、それだけではない。西武からは、これまで何人もの選手がメジャーへ挑戦している。しかしながら松井稼頭央、松坂大輔、中島宏之、牧田和久のうち誰一人として、日本へ戻ってくる際にライオンズを選ばなかった。メジャー帰りの選手が西武入りした例は一度もなく、これは12球団で唯一である。
もちろん、どのチームを選ぼうが選手個人の自由ではあるが、ファンにしてみれば「それほどまでに愛着を持たれない、魅力の薄いチームなのか」と嘆きたくもなるはずだ。辻発彦監督、渡辺久信GMだけでなく、後藤高志オーナーまでもが親会社の株主総会で復帰を熱望していたのは、そうした側面もあったのではないかと思われる。しかしながら、その熱い思いはまたしても届くことはなかった。
しかし、仮に秋山が西武へ復帰していたとしても、手放しで喜べたかどうかはまた別の話だ。というのも、秋山の力を必要としていたこと自体が、西武にとっては問題であるからだ。
70試合を終えた時点で、西武打線の220得点はパ・リーグ4位。山賊打線の異名を取った爆発的な攻撃力によって18~19年にはリーグ2連覇を果たしたが、その頃から比べると格段に迫力が低下している。それはもちろん、最強のリードオフマンだった秋山が抜けたのも大きな要因の一つである。だからその秋山を呼び戻すことができれば、ソフトバンクと楽天の上位2強に迫る切り札となれたかもしれない。
この史上屈指の安打製造機が日本復帰の意思を示した際、獲得に乗り出したのは広島だけではない。古巣の埼玉西武ライオンズが、空き番号となっていた背番号55を用意して真っ先に入団交渉に臨んだ他、外野陣に故障者が続出している福岡ソフトバンクホークスも名乗りを上げた。3球団による争奪戦の様相を呈していたが、「西日本に住むのもセ・リーグという環境も初めて。新しいことを知りたいという思いがある」というチャレンジ精神が、広島行きの決め手となったようだ。
秋山の復帰が失敗に終わったことは、ライオンズ・ファンにとっては大きなショックだったろう。固定されたレギュラーが不在となっている「1番・センター」として、秋山は戦力的にもプラスになると期待されていたのは言うまでもないが、それだけではない。西武からは、これまで何人もの選手がメジャーへ挑戦している。しかしながら松井稼頭央、松坂大輔、中島宏之、牧田和久のうち誰一人として、日本へ戻ってくる際にライオンズを選ばなかった。メジャー帰りの選手が西武入りした例は一度もなく、これは12球団で唯一である。
もちろん、どのチームを選ぼうが選手個人の自由ではあるが、ファンにしてみれば「それほどまでに愛着を持たれない、魅力の薄いチームなのか」と嘆きたくもなるはずだ。辻発彦監督、渡辺久信GMだけでなく、後藤高志オーナーまでもが親会社の株主総会で復帰を熱望していたのは、そうした側面もあったのではないかと思われる。しかしながら、その熱い思いはまたしても届くことはなかった。
しかし、仮に秋山が西武へ復帰していたとしても、手放しで喜べたかどうかはまた別の話だ。というのも、秋山の力を必要としていたこと自体が、西武にとっては問題であるからだ。
70試合を終えた時点で、西武打線の220得点はパ・リーグ4位。山賊打線の異名を取った爆発的な攻撃力によって18~19年にはリーグ2連覇を果たしたが、その頃から比べると格段に迫力が低下している。それはもちろん、最強のリードオフマンだった秋山が抜けたのも大きな要因の一つである。だからその秋山を呼び戻すことができれば、ソフトバンクと楽天の上位2強に迫る切り札となれたかもしれない。
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