現地時間6月29日、驚きの、そして悲しくなるニュースが飛び込んできた。昨オフのFA(フリーエージェント)市場で注目を集めていた大型一塁手のフレディ・フリーマンのロサンゼルス・ドジャースへの移籍が、どうやら代理人により“操作”されていたのでは、と各媒体が報じているのだ。
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フリーマンは2007年ドラフト2巡目でアトランタ・ブレーブスに入団すると、10年にメジャーデビュー。その後も長きにわたってブレーブスの顔として結果を残し続け、昨オフに初めてFAを迎えた。20年にMVP、昨年はチームに世界一をもたらした功労者とあって球団も慰留を求め、フリーマン自身もブレーブス残留を望んでいた。
もっとも、32歳の一塁手は年齢的にも今回が大型契約を結ぶラストチャンスとあって、6年1億5000万ドル前後の契約を望んでいた。一方、ブレーブスが提示したものは5年1億3500万ドル。その後のロックアウトを経てドジャースがフリーマンに猛プッシュすると3月14日、ブレーブスはアスレティックスからマット・オルソンを大型トレードで獲得。フリーマンとたもとを分かつことになった。
その3日後、フリーマンはドジャースと6年1億6200万ドルで契約を結び、彼を巡る移籍劇は幕を閉じた――というのがこれまでの流れだった。しかしここにきて、フリーマンが自らの代理人『エクセル・スポーツ・マネジメント』のケイシー・クローズを解雇したとの報道が入ってきたのだ(ちなみにクローズは、田中将大の代理人を務めたこともあった)。その理由が、代理人がブレーブスのオファーを秘匿していたからだと伝えられ、大きな波紋を呼んでいるのだ。
ブレーブスがオルソンを獲得する2日前の3月12日、代理人のクロースはチームに対して1時間のリミットを設けて2つのオファーを提示した。6年1億7500万ドル/5年1億6500万ドル。金額面はブレーブスの提示額を大きく上回り、ここで彼らはトレード補強へと舵を切ったと見られる。
問題になったのは、ブレーブスが金額を上げた最終オファーを、代理人側がフリーマンに知らせなかったことにある。トレード成立前、ブレーブスは500万ドルながらも金額を吊り上げ、6年1億4000万ドルを再打診した。額面上はドジャースの金額より低いものの、カリフォルニアの税率が高く、実際にフリーマンの下に入る金額はブレーブス側の方が高かった。
にもかかわらず、放送局『FOX Sports』のダグ・ゴットリーブ記者によると、代理人のクローズは1億4000万ドルの“誠意”を隠蔽したという。フリーマンがこの金額で妥結する可能性が高いと考えたためとも伝えていて、結局ドジャースとの契約をまとめる流れになった。
すべては後の祭り。これを知った当人は激怒し、代理人を解雇する運びになった。フリーマンのブレーブス愛は本当に深いもので、オルソンのトレードを知った時は涙がこぼれて仕方なかったという。6月24日からのブレーブス3連戦で“凱旋”したフリーマンは、記者会見でも涙。打席に立つ前も涙を流し、自らが愛し、愛されたファンへの感謝を述べていた。
そうであれば、彼が怒り心頭になるのは十分に納得できるものだろう。一方、今回の報道を受けて大炎上した代理人のクローズは事実無根として強く否定。“誤報”だとして、ゴットリーブ記者への法的措置も辞さない構えだという。
選手の移籍が当たり前の時代。フランチャイズ・プレーヤーは絶滅危惧種となっている。その中でフリーマンはその可能性を残していた選手だっただけに、もしこのニュースが事実であれば、“貴重”な人材を球界が失ったことになる。果たして真相はいかに。
構成●THE DIGEST編集部
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フリーマンは2007年ドラフト2巡目でアトランタ・ブレーブスに入団すると、10年にメジャーデビュー。その後も長きにわたってブレーブスの顔として結果を残し続け、昨オフに初めてFAを迎えた。20年にMVP、昨年はチームに世界一をもたらした功労者とあって球団も慰留を求め、フリーマン自身もブレーブス残留を望んでいた。
もっとも、32歳の一塁手は年齢的にも今回が大型契約を結ぶラストチャンスとあって、6年1億5000万ドル前後の契約を望んでいた。一方、ブレーブスが提示したものは5年1億3500万ドル。その後のロックアウトを経てドジャースがフリーマンに猛プッシュすると3月14日、ブレーブスはアスレティックスからマット・オルソンを大型トレードで獲得。フリーマンとたもとを分かつことになった。
その3日後、フリーマンはドジャースと6年1億6200万ドルで契約を結び、彼を巡る移籍劇は幕を閉じた――というのがこれまでの流れだった。しかしここにきて、フリーマンが自らの代理人『エクセル・スポーツ・マネジメント』のケイシー・クローズを解雇したとの報道が入ってきたのだ(ちなみにクローズは、田中将大の代理人を務めたこともあった)。その理由が、代理人がブレーブスのオファーを秘匿していたからだと伝えられ、大きな波紋を呼んでいるのだ。
ブレーブスがオルソンを獲得する2日前の3月12日、代理人のクロースはチームに対して1時間のリミットを設けて2つのオファーを提示した。6年1億7500万ドル/5年1億6500万ドル。金額面はブレーブスの提示額を大きく上回り、ここで彼らはトレード補強へと舵を切ったと見られる。
問題になったのは、ブレーブスが金額を上げた最終オファーを、代理人側がフリーマンに知らせなかったことにある。トレード成立前、ブレーブスは500万ドルながらも金額を吊り上げ、6年1億4000万ドルを再打診した。額面上はドジャースの金額より低いものの、カリフォルニアの税率が高く、実際にフリーマンの下に入る金額はブレーブス側の方が高かった。
にもかかわらず、放送局『FOX Sports』のダグ・ゴットリーブ記者によると、代理人のクローズは1億4000万ドルの“誠意”を隠蔽したという。フリーマンがこの金額で妥結する可能性が高いと考えたためとも伝えていて、結局ドジャースとの契約をまとめる流れになった。
すべては後の祭り。これを知った当人は激怒し、代理人を解雇する運びになった。フリーマンのブレーブス愛は本当に深いもので、オルソンのトレードを知った時は涙がこぼれて仕方なかったという。6月24日からのブレーブス3連戦で“凱旋”したフリーマンは、記者会見でも涙。打席に立つ前も涙を流し、自らが愛し、愛されたファンへの感謝を述べていた。
そうであれば、彼が怒り心頭になるのは十分に納得できるものだろう。一方、今回の報道を受けて大炎上した代理人のクローズは事実無根として強く否定。“誤報”だとして、ゴットリーブ記者への法的措置も辞さない構えだという。
選手の移籍が当たり前の時代。フランチャイズ・プレーヤーは絶滅危惧種となっている。その中でフリーマンはその可能性を残していた選手だっただけに、もしこのニュースが事実であれば、“貴重”な人材を球界が失ったことになる。果たして真相はいかに。
構成●THE DIGEST編集部
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