高校野球

【甲子園「注目投手」10人】 世代ナンバーワンの呼び声高い日本文理・田中が筆頭格。大阪桐蔭の川原&前田の二枚看板も必見<SLUGGER>

西尾典文

2022.08.05

世代ナンバーワンの呼び声高い日本文理・田中(左)は打者としても注目。2年生ながら実力抜群の大阪桐蔭・前田(右)も見逃せない。写真:塚本凛平(THE DIGEST)

8月6日に開幕する全国高校野球選手権。高校生のドラフト候補にとっては最後の大きなアピールの場となるが、特に注目に値する投手を10人ピックアップした。

●森谷大誠(札幌大谷3年/172cm・82kg/左投右打)
 今夏に急浮上してきた本格派サウスポー。上背はないものの、たくましい体格から投げ込むストレートはコンスタントに140キロ台中盤をマークする。札幌地区予選、南北海道大会の6試合すべてに登板し、39イニングを投げて自責点3と見事な成績を残した。今年の南北海道は他にも好投手が多かったが、甲子園での活躍次第ではドラフト指名も見えてくるだろう。

●森本哲星(市立船橋3年/175cm・72kg/左投左打)
 春までは背番号2ケタだったが、夏はエースへと成長し、チームを甲子園出場に導いた。ストレートは130キロ台後半程度と驚くような速さはないが、肩の可動域が広く、球持ちが長いため数字以上にスピードを感じる。腕を振って投げられるスライダー、チェンジアップも打者の手元で変化する。下位打線を打つことが多いが打撃も非凡で、千葉大会では10打数7安打を記録。トータルで見た時に素材の良さが光る。
 
●田中晴也(日本文理3年/186cm・92kg/右投左打)
 世代ナンバーワンとの呼び声もある大型右腕。昨夏の甲子園では初戦で大敗を喫したものの、最速147キロをマークして注目を集めた。新チームになってからは安定感が増し、この夏の新潟大会でも34回を投げて自責点はわずかに1。準決勝では自己最速となる150キロもマークしている。また、3番打者としても注目度が高い。投手&野手含めて今大会最注目の一人と言える存在だ。

●有馬伽久(愛工大名電3年/175cm・75kg/左投左打)
 東海地区を代表する左腕。昨年に比べて身体つきが明らかに大きくなり、ストレートは最速147キロをマークする。丁寧にコースを狙いすぎて球数が多くなるのは課題だが、四死球などで自滅するケースは少ない。愛知大会では準決勝でロングリリーフ、決勝でも完投と体力面での充実ぶりも見せた。大学進学が濃厚と噂されるが、貴重な本格派左腕だけに、4年後にはドラフト上位候補になると期待できそうだ。
 
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大阪桐蔭でエースナンバーを背負う右腕は必見