予期されてはいたが、"日本の4番"は再び苦境に立たされることとなった。
ピッツバーグ・パイレーツは現地時間8月3日、筒香嘉智を40人枠ロースターから外す措置(DFA)を行った。これにより筒香は、今後ウェーバーにかけられ、他球団からのオファーがなければ自由契約、マイナー降格といった形になる。
今季開幕前、筒香には小さくない期待があった。昨年8月にパイレーツに加入した左の長距離砲は、移籍後43試合で打率.268、8本塁打、OPS.883と活躍し、3年契約も提示された。しかし、筒香は単年契約を選ぶ"男気"を見せて今季を迎えたのだが、そのバットは以前の姿に再び戻ってしまった。
メジャーのスピードボールに振り遅れ、バットに当たってもシフトにかかり、打球がまったく上がらない。打力の求められる一塁&DHというポジションにありながら、50試合で打率.171、2本塁打、OPS.478。OPSは150打席以上の329人中325位という、"打てない人"認定されても仕方のない数字にとどまった。
【動画】打たれたモリーナが思わず苦笑い。筒香の"最後"のメジャー本塁打をチェック
パイレーツからすれば、どこかで筒香の打撃が上向けば、他球団に売りさばいて有望株を補充するという思惑もあった。それだけに、結果を残せなくても我慢して起用し続けたわけだ。しかし、昨年の輝きをついぞ見せることなく、8月2日のトレード・デッドラインを迎え、今回のDFAに至った。
そして、パイレーツが起用し続けたことで"悲劇"が生まれている。
日本でも少しづつ浸透し始めた勝利貢献度を示す「WAR」というデータがある。打撃・走塁・守備・投球を一つのテーブルで評価することができ、MLBではアウォード投票で最も重要視されているものだ。昨年、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)がメジャー1位のWAR(『Baseball-Reference』版)をマークして話題を呼んだが、筒香は大谷とまったく逆の結果になった。
2日の試合を終え、筒香のWARは「-1.7」。実は、これは今季出場した野手693人中693位、つまりメジャーワーストの数字なのだ。投手(772人)を含めれば、パトリック・コービン(ワシントン・ナショナルズ/-2.0)、ダラス・カイケル(-2.1)と"上には上"がいるものの、投打1465人中ワースト3位というのも、まったく喜べるものではない。
振り返れば、メジャー1年目の2020年こそWAR0.3と、かろうじて代替選手を上回る数字を残していたが、ここ2年は-0.8、-1.7と推移していて、通算WARは-2.0。少なくともトータルで見た時、筒香はメジャー最低レベルの成績を残すことができなかったと言えるだろう。
筒香がDFAされるのは昨年5月11日(タンパベイ・レイズ)、7月7日(ロサンゼルス・ドジャース)以来3度目。現在30歳の大砲が日本時代のように再び輝くこともないわけではない。メジャーでも遅咲きで活躍した選手はたくさんいる。
しかし悲しいかな、筒香の"最後"のホームランが、投手ではなく大捕手ヤディアー・モリーナ(セントルイス・カーディナルス)からの一発で止まっているのはある意味で、彼の現状を表しているのかもしれない。
構成●THE DIGEST編集部
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ピッツバーグ・パイレーツは現地時間8月3日、筒香嘉智を40人枠ロースターから外す措置(DFA)を行った。これにより筒香は、今後ウェーバーにかけられ、他球団からのオファーがなければ自由契約、マイナー降格といった形になる。
今季開幕前、筒香には小さくない期待があった。昨年8月にパイレーツに加入した左の長距離砲は、移籍後43試合で打率.268、8本塁打、OPS.883と活躍し、3年契約も提示された。しかし、筒香は単年契約を選ぶ"男気"を見せて今季を迎えたのだが、そのバットは以前の姿に再び戻ってしまった。
メジャーのスピードボールに振り遅れ、バットに当たってもシフトにかかり、打球がまったく上がらない。打力の求められる一塁&DHというポジションにありながら、50試合で打率.171、2本塁打、OPS.478。OPSは150打席以上の329人中325位という、"打てない人"認定されても仕方のない数字にとどまった。
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パイレーツからすれば、どこかで筒香の打撃が上向けば、他球団に売りさばいて有望株を補充するという思惑もあった。それだけに、結果を残せなくても我慢して起用し続けたわけだ。しかし、昨年の輝きをついぞ見せることなく、8月2日のトレード・デッドラインを迎え、今回のDFAに至った。
そして、パイレーツが起用し続けたことで"悲劇"が生まれている。
日本でも少しづつ浸透し始めた勝利貢献度を示す「WAR」というデータがある。打撃・走塁・守備・投球を一つのテーブルで評価することができ、MLBではアウォード投票で最も重要視されているものだ。昨年、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)がメジャー1位のWAR(『Baseball-Reference』版)をマークして話題を呼んだが、筒香は大谷とまったく逆の結果になった。
2日の試合を終え、筒香のWARは「-1.7」。実は、これは今季出場した野手693人中693位、つまりメジャーワーストの数字なのだ。投手(772人)を含めれば、パトリック・コービン(ワシントン・ナショナルズ/-2.0)、ダラス・カイケル(-2.1)と"上には上"がいるものの、投打1465人中ワースト3位というのも、まったく喜べるものではない。
振り返れば、メジャー1年目の2020年こそWAR0.3と、かろうじて代替選手を上回る数字を残していたが、ここ2年は-0.8、-1.7と推移していて、通算WARは-2.0。少なくともトータルで見た時、筒香はメジャー最低レベルの成績を残すことができなかったと言えるだろう。
筒香がDFAされるのは昨年5月11日(タンパベイ・レイズ)、7月7日(ロサンゼルス・ドジャース)以来3度目。現在30歳の大砲が日本時代のように再び輝くこともないわけではない。メジャーでも遅咲きで活躍した選手はたくさんいる。
しかし悲しいかな、筒香の"最後"のホームランが、投手ではなく大捕手ヤディアー・モリーナ(セントルイス・カーディナルス)からの一発で止まっているのはある意味で、彼の現状を表しているのかもしれない。
構成●THE DIGEST編集部
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